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自社のプラットフォーム構築の原則

 

先月のカンブリア宮殿にて、高岡にある鋳造メーカーである「能作」さんが取り上げられていました。

 

 

この会社は鋳物の一大拠点である富山・高岡で代々仏具用の鋳物部品を鋳造する下請け型の会社だったそうです。

現社長が跡を継いでからは、工場見学会等も積極的に行い伝統産業である鋳物の啓発に取り組んでいたところ、工場見学に来た地元の親子連れの母親が子供にこう言ったそうです。

 

「ちゃんと勉強しないとあなたもこんなところで働くことになるよ」と。

 

その言葉に衝撃を受けた能作社長は、いわゆる「3K」の鋳物のイメージを変え、地元の人が鋳物文化を誇れるようにするとの思いで自社商品を作り、ブランド化を進めます。

今では百貨店やセレクトショップ等での取り扱いも増え、先日は東京・日本橋の新しい商業施設に旗艦店をオープンするまでの事業に成長させました。

 

「自社商品」や「ブランディング」といった点からも非常に学ぶ点が多い能作さんですが、私が面白いと思ったのは商品製作の工程がある種のプラットフォームとなっている点です。

 

どういうことかと言うと、商品企画において外部のデザイナーと協力して、商品を次々と増やしやすい仕組みとなっているのです。

 

 

これまでに、自社商品作りについて考えられた経験のある方なら、自社商品づくりでもっとも難しいのは商品企画であることは恐らく一致を得るのではないかと思います。

市場ニーズがあるのか、他社製品と比較してどうか、デザイン・ネーミングはどうするべきか、等々・・・

 

特にB2Bの商品と異なり、B2Cの場合は商品によって得られるものが、商品そのものの機能・価値に加え情緒的な価値も重要になります。

それらの要素を踏まえて次々と商品企画ができればいいのですが、社内のリソースだけではすぐに限界が来てしまいます。

 

 

アパレル系や企画商品系の商社等であれば外部のリソースを活用することに長けていますが、普通の下請け製造会社から初めて自社商品を作ろう、と取り組む場合、この商品企画で止まってしまうことが多いように思います。

 

メーカーと、それ以外の会社の大きな違いは商品企画が継続的にできるかに掛かっているとも言えます。

 

 

さて、B2C向けの商品では使い勝手も含めたデザイン性が情緒的にも重要です。

プロダクトデザイナーへデザインを依頼する際のデザイン料は、一般的には1回の払いきりで終了するか、商品売上の数パーセント(3~5%)をデザイナーに支払うロイヤリティ制があります。

この能作さんが採っているのはロイヤリティ制です。

 

 

能作さんの場合は、このロイヤリティが10%前後に設定されているそうで、商品の企画を担当するデザイナーにとっても数字上のメリットが大きいことが言えます。

売れれば売れるほど、継続的にお金が入ってくる訳です。

故にデザイナーからも共感、納得を得やすく、デザインの質が上がるとともに新しいデザイナーを増やしやすい、つまりプラットフォームを拡大しやすい体制になっていきます。

 

 

あるプラットフォームが上手くいく要件とはいくつかあるのですが、最も重要な点はプラットフォームの参加者全員がプラットフォームに参加することにより、単独で活動するよりも楽に、大きな便益を得られるという点です。

 

「外部のリソースを活用する」「協力会社を大事にする」などは、よく聞かれる耳慣れた言葉ですが、実際にそれが長い関係性を築けているケースが比例して多いかと言うとそうではないように見受けられます。

 

言葉だけではなく、実際に利益をプラットフォーム参加者に齎さなければなりません。

 

仕入先、外注先も自社のプラットフォームに積極的に参加してもらう。

そして自社が儲かり、かつプラットフォーム参加者も儲かるためには、「出口」を抑えることが必要です。

 

能作さんの場合は、小売における販売、ひいては販売量の増大、価格の維持、利益の確保がそれに該当します。

 

ネット等の通販サイトを検索すれば、かなり厳格に小売価格の統制が保たれていることが分かります。

 

それはアップル等のブランドにおいても同様ですが、「値引きをしない」「自分たちの決めた価格で売る」ということはブランディングにとって重要なことと同時に、プラットフォームを維持することにも大きな意味があるようです。

 

翻って、

自社の事業におけるプラットフォームは何か、

プラットフォーム参加者から十分に共感、協力を得られる仕組みとなっているか、

最終的な利益確保ができているか、

という点はB2B、B2Cに限らず重要なポイントであるようです。

 

 

 

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