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先端「町工場」視察セミナーin長野より

先週金曜日は、年に2回実施される先端「町工場」視察セミナーin長野でした。本視察セミナーは毎回キャンセル待ちのでる人気セミナーで、今回も定員の約40名の皆様と視察を行いました。

今回はJR松本駅に朝9時15分に集合、前日夜には松本駅周辺でご参加の皆様と懇親会を行いました。

松本駅から専用バスで約25分、視察1社目の株式会社西山精密板金様に到着しました。

同社は従業員26名の精密板金加工業ながら、営業利益率18%という高収益企業です。

かつてリーマン・ショック前は特定企業に売上の9割以上を依存していましたが、現在は120社以上の取引先を持ち、月間5000件の見積り、2500件の製作をこなしています。

同社の高収益の秘密は、ダイレスフォーミング(型レス板金)という工法変換技術にあります。同社の利益の半分は、このダイレスフォーミングが稼ぎ出しているといいます。

同社の西山社長は積極的に海外に出かけ、特に欧米の優良企業を視察することで、生産性を高めるヒントを数多く得てきたといいます。

例えばヨーロッパの高収益企業の共通点は、近所のおばちゃんが暖かい手料理を昼食に出している、ということだそうです。

また社会貢献にも取組んでおり、社員に支給したボーナスの平均額を、“外部の27人目の社員”ということで、寄付に回されています。

同社では3年先から100年先までの目標・ビジョンをつくっており、3年後には32%の利益率を出すことが目標になっています。

今回、同社では船井総研の視察を受け入れていただく為にセミナールームを新設していただき、心から御礼申し上げる次第です。

付近の料理旅館で昼食をとり、視察2社目の有限会社スワニーに向かいます。

有限会社スワニーは従業員12名。3Dモデリング技術を駆使した商品設計・開発業務から、試作、量産化、自社商品の企画・製造・販売を行っています。

同社は2010年に現社長の橋爪 良博 氏が二代目社長に就任。

一時期は数十名いた社員が、取引先の海外移転のために3名にまで減少していました。その後の現社長、同社の取り組みにより売上は15倍、取引先は300社にまで増えています。

同社の独自技術の1つはデジタルモールド。これは3Dプリンタで型をつくり、その型で射出成型加工あるいはプレス加工を行う、というものです。

まずデジタルモールドによる射出成型のメリットは、試作段階で量産と同じ樹脂を射出成型で試すことができ、かつ型コストを大幅に下げることができることです。

3Dプリンタで製作した樹脂の型とはいえ、100ショットから数百ショットの加工に耐えることができます。

またデジタルモールドによるプレス加工のメリットは、金属の金型と比較して、低コスト、短納期、傷がつかない、油を使わない、など利便性が多い上に、金型に引けを取らないシャープエッジも実現できることです。これにより少量品を低コストにこなすことができます。

また同社はユニークな方法で、社員のモチベーションアップに取組んでいます。それがフェイスブックの“いいね”手当てです。

同社では社内の加工設備が空いている時は、社員が自由に使ってよいことになっています。そこで製作した作品を自社のフェイスブックにアップし、“いいね”が1件獲得できたら100円を支給する、というものです。

同社のある女子社員は、木片を削ってつくったスプーンをフェイスブックにアップし、“いいね”を数百件獲得して、そのお金でご両親と外食に行った、といいます。

また社会貢献・地域貢献にも力を入れられています。同社の地元の伊那市駅前においても、商店街が衰退し“シャッター商店街”となってしまっています。こうした商店街を活性化するため、地元の社会福祉協議会と連携して、商店街の空いたテナントに内職スペースをつくり、同社が受注した製品を、ここで組み立てています。

現在は80名の家内労働者(=同社ではキャストと呼んでいる)が登録しており、社員同様に大切に対応されています。

 

今回この2社を視察して、両社に共通することとして次の5つのポイントを挙げることができます。

 

1)ピンチをチャンスに変えた

両社とも、リーマン・ショックで致命的なダメージを受けながら、その後の改革で抜本的な改善を図り、高収益企業に生まれ変わりました。

 

2)客数が多い

言い換えれば「主導権」を取っている、ということです。

 

3)独自技術を持っている

現在の様なデフレ時代の抜本対策は研究開発であり、独自技術です。

 

4)社員が働き甲斐のある職場づくりに力を入れている

真の顧客満足(=CS)のためには、社員満足(=ES)が必須です。

 

5)社会貢献に取組んでいる

まさに三方良しの経営、ということができます。

 

今回の視察セミナーも、大いに学ぶところがありました。モデル企業を実際にこの目で見ることに勝るものはありません。

 

今回の視察を受け入れていただいた両社、またご参加いただいた数多くの皆様に心より御礼申し上げます。


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