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海外視察レポート

アメリカ東海岸グレートカンパニー視察セミナーレポート:4日目

片山 和也

更新日:2017.10.19

驚きのグレートカンパニー視察セミナー

 

2017年10月11日 (水)  このセミナーについて>>



視察9社目:マリオットインターナショナル(Marriott International)

スズキチエコ氏による講演

マシュー氏による講演

(1)同社の概要

  • グローバルホテルチェーン。ホテル数は約5000、客室数は全世界で110万室。世界最大のホテル企業。
  • 創業1927年、売上高170.7億ドル 従業員226,500人(2016年現在)、創業者はJ・ウィラー・マリオット氏。

(2)マリオットホテルの理念

  • スズキチエコ氏による講演。マリオットホテル本部では唯一の日本人であり、国際営業部で成果を出す。優秀社員賞を獲得した。
  • J・ウィラー・マリオットが確立した理念は、息子のビル・マリオットに引き継がれている。
  • 同社の理念は「従業員を大事にすれば、従業員もお客を大事にする」ということである。
  • 大事にしていることは、
    • 従業員第一主義
    • 逆境の克服
    • 仕事を楽しむ
    • 今日より明日を大切にする

    ということである。

  • (3)働きがいのある職場づくりのために

    • 従業員アンケートを定期的に取っている。その結果によっては人事部スタッフが会議にともに出席する。その上で上司と一緒になり対策を協議する。
    • 従業員感謝の日がある。ホテルは毎日稼働しているので、働きながら実施している。
    • この日は上司・マネージャーが調理を行って社員をもてなすイベントを行っている。
    • 同社の理念・行動指針は次の通りである。
      • マネージャーは実務型管理者であれ
      • システムの確立と臨機応変な対応
      • 従業員を大事にすれば、従業員もお客を大事にする
      • 他人の意見からは多くのことが学べる
      • 変化しながら秩序を守る
      • 秩序を守りながら変化する
      • 自信過剰は災いをまねく
      • 成功は全員の手でつかむもの
      • 意思決定4つのルール
      • きっぱりとした決意
    • マリオットの全従業員がためらわずに意見を言える環境をつくっている

    (4)同社のビジネスモデル

    • マネジメントディレクター マシュー氏による講演
    • 世界110カ国でホテルを展開している5700のホテルを展開している、世界一のホテルチェーンである。
    • 中西部、アジアが最も伸びている。
    • 最初はたった9席のレストランからスタートした。
    • 毎年持続的に成長しており、過去3年間で3万5000部屋が増えた。
    • テクノロジーを積極的に取り入れる努力をしている。例えばモバイルチェックイン。ルームサービスもモバイルからオーダーできるシステムを検討中。
    • 他の人が目をつけていない場所に進出する。今、グループ内でもトップクラスの稼働率を誇るタイムズスクエアのマリオットマーキーズの周辺も、昔はスラム街であった。最近でいえばキューバへの進出がそれにあたる。

    (5)質疑応答

    Q1:社員を大切にするというが、いわゆる問題社員への対応はどうなのか?
    A1:社員は大切にするが、問題のある社員は即刻解雇する。問題を起こさず退職した社員の場合は、出戻りを歓迎する。
    Q2:福利厚生はどうなのか?
    A2:特にありがたいのは各種保険が充実していること。多くの選択肢から保険を選ぶことができる。

     

    視察10社目:ウッドベリー・コモン(Woodbury Common Premium Outlets)

    ウッドベリー・コモンの全景

    モール内の様子
    写真のみWikipediaより引用
    • マンハッタン・ニューヨーク市内から1時間ほどの距離にある、アウトレットモールの草分け的存在である。1985年にオープンし、1993年、1998年に拡張が行われた。
    • 当初のアウトレットモールでは「売れ残り」「工場出荷時の傷もの」商品をディスカウントして売ることを趣旨につくられた。値引きが既存商品に影響を与えることを防ぐため、都市部から1時間以上離れた場所につくられることになった。
    • 現在ではアウトレットモール向けにつくられる商品もでてきており、アウトレット自体が社会に根付いてきている。
    • ただし同モールの場合は売上の大半が観光客によってもたらされる。中国人はビザ支給の問題で入国が難しくなっており、現在の主要顧客は日本人観光客である。

     

    視察11社目:indeed(インディード)

    同社の外観

    ビアンカ氏による講演

    同社のミッション

    (1)人材採用の科学

    • マーケティング担当 ビアンカ氏による講演。
    • 採用することのインパクトは2つ。
      1)人々の人生を変える
      2)事業に対してインパクトを与える
    • 良い採用を行うためには、仕事探しの心理学、社会学を考える必要がある。
    • Indeedでは職探しをしている人9000人に調査した結果、次のことがわかった。
      • 91%の人が積極的に職探しをしており、76%少なくとも月に1回求人情報をみている
      • 大半がミレニアル世代(18-34歳)である
      • また大多数が就労中に閲覧しており、モバイルを活用している
      • 専門的な技能を持っている人たちが多い
      • Indeedで就職した65%が、91日以内にまたIndeedに戻ってくる

    (2)転職活動の本質

    • 人は転職までに7つの大きな決断をくだす。
    • 転職は大きなストレスである。家族の不幸、自身の健康問題の次で3番目にストレスがかかる。
    • 人間はそもそも、キャリアの変化も、人生の変化も基本的に嫌いである。変化を求めない 変化を求めない心理を持っている。多くの人が転職に伴うリスクを過剰に恐れている
    • ではなぜ、変化が嫌いな人間が変化を求めて転職するのか?その理由は3つある。
      1)給与
      2)勤務地
      3)雇用主の柔軟な態度

    (3)マーケティングとして採用を捉える

    • 採用においてはWEBサイトの見せ方がポイント。
    • 83%がクチコミを重視している。
    • 今後の採用は、よりマーケティング的に考えていかなければならない

    ポール氏による講演の様子

    同社のオフィス内部の様子

    インクルージョンを重視

    (4)indeedのHR(人事政策)

    • HR担当シニアバイスプレジデント ポールによる講演。
    • Indeedは四半期ベースで昨年対比80%増のレベルで成長している。
    • 熱心な従業員が働いている会社は生産性が21%向上する。
    • またマッキンゼー社の調査によると、多様性のある企業は利益が35%増える傾向にある。
    • 自社の調査でも77%のエンジニアが、多様性を重要視している。
    • マイノリティがパートナーをつくり、インクルージョンを行うためのリソースグループをつくっている。
    • 福利厚生重視している。オープンPTOという有給休暇の制度、キャリアアップのための学費負担、会社の業績合わせた奨励金、健康維持プログラムの提供 等がある。
    • 管理職能力開発プログラムを有している。キャリアプランニングツールキットがある。これにはメンタリング、管理職コースやキャリアパス計画などが含まれている。

    (5)Indeedの採用

    • 採用にあたり、応募者が面接時に好感をもつと、SNSなどで好意的な情報を拡散する確率は9倍にあがる。
    • そのため、応募者に企業ブランドを訴求するノベルティを渡している。

アメリカ東海岸グレートカンパニー視察セミナーレポート:5日目

片山 和也

更新日:2017.10.19

驚きのグレートカンパニー視察セミナー

 

2017年10月12日 (木)  このセミナーについて>>

視察12社目:マサチューセッツ・インスティチュート・オブ・テクノロジー(Massachusetts Institute of Technology)

MITのメイン校舎入口

メイン校舎裏側の芝生の広場

校舎内部の様子

(1)MITの概要

  • 創業1861年、寄付金4億2810ドル(2014年)、職員12,109名(うち教員1,036名)
  • ノーベル賞受賞者87名を輩出した、世界を代表する工科大学。

(2)MITとハーバード大学の関係

  • MITとハーバード大学は、地下鉄で3駅、徒歩圏内で結ばれている。
  • 相互に連携しており、学生間での交流も盛ん。相互の大学で取得した単位が自校の単位として適用される。
  • ボストンエリアにはMITやハーバード大学だけでなく、ボストン大学など多数の大学がある。グレーターボストンのエリアで60の大学がある。

(3)優秀な学生の争奪戦

  • GEが本社をボストンに移す。その理由の1つは優秀な人材の獲得。
  • 大企業は積極的にMITに学生を採用に来ている。

 

視察13社目:ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)

(1)大リーグのビジネスモデル

  • MLBはフランチャイズビジネス。Jリーグはこれを真似たビジネスモデル。
  • 日本のプロ野球は親会社からのスポンサー収入でなりたっている一方、こちらは各チームの独立採算。
  • リーグビジネスとリームビジネスの大きな2つ。
  • MLBは1兆200億円というフランチャイズ本部であり、アメリカ最古のフランチャイズビジネスといえる。
  • この5~6年間で5~6倍から10倍の収益になった。
  • ひいきの球団を見ようと思ったらケーブルテレビに加入しなければならない。3000億円が放映権での収入、放映権が上がっていることで球団の収入が増え、選手のギャラもあがるという循環ができている。

スタジアムの外観

スタジアムグラウンドの様子

吉村氏による講演

(2)レッドソックスのマーケティング

  • アジア事業戦略担当 兼 広報 吉村幹生 様による講演。スポーツビジネスに携わることを目標に渡米、13年滞在している。
  • レッドソックスはFSMというホールディング会社の傘下にある FSM Fenway Sports Group (FSG)フェンウェイスポーツマネジメント は ケーブルテレビの放映やプロ選手のプロデュースを行う
  • 大リーグでは球団のターゲット層を11歳の男の子に定めている。レッドソックスは特に子供・家族に焦点をおいている。理由は、
     1)野球人口が高齢化していることへの危機感
     2)3歳~5歳ではじめて球場に来ると生涯リピーターになる可能性が高い
  • 同社の調査によれば、3歳~5歳ではじめて球場にきたグループと、ティーンエイジャーで初めてきたグループ 球場に来る回数が65%変わる。
  • 子供のファンクラブは無料。ゲートK(=キッズ)と呼ばれる子供向けの入口をつくる。選手の人形がおいてあり、一緒に写真が撮れる。

スタジアムツアーの様子

グリーンモンスター席の様子

屋上で有機野菜を栽培している

(3)スタジアムツアー

  • 同スタジアムはメジャーリーグで最後の球場で105年の歴史がある。
  • 当初振るわないチームであったレッドソックスは、1933年にトム・ヨーキーという人物により4000万ドルで買い取られ、その後発展を遂げていく。
  • 1934年にスタジアムに屋根をつけ、外野席を増やした。またボックス席をつくった。
  • その後、グリーンモンスターという壁をつくり、そこに外野席をさらに増設した。
  • スタジアムは大リーグ30チーム中、25番目の収容能力である。38000人の収容人数に対して37000人の平均客稼働率98% レッドソックスは圧倒的に稼働率が高い。
  • チケットはどのチームと試合を行うかで異なる。価格は150ドル~500ドル。ヤンキース戦など、人気チームとの試合は高くなる。
  •  

    視察14社目:MASS ROBOTICS(マス・ロボティクス)

    フェルナンド・サウレス教授による講演の様子

    (1)マス・ロボティクスの概要

    • 2014年にスタートアップインキュベーションのNPOとして創業。
    • アマゾンロボティクスの技術責任者 Tye Btady氏と、iロボットCEO Colin Angle氏が設立に関わる。
    • ボストンにあるキバ・システム社をアマゾンが買収、アマゾンロボティクスを立ち上げる。その際の資金で立ち上げられる。世界最大のインキュベーターである、ケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)のロボット関連部門を切り離す形となっている。

    (2)ノースイースタン大学 フェルナンド・サウレス教授によるレクチャー

    • 同教授はMITの出身である、マス・ロボティクス共同創業者のアドバイザーでもある。
    • テクノロジーを使って新たな産業を起こさなければならない、その中でスモールカンパニーがイノベーションを起こしている。
    • 例えばAIベンチャーのnestは、Google・AIから30億ドルで買収された。
    • その中でアメリカの大企業の多くがこの波に乗り遅れている。例えばIBMは過去5年間で売上が25%ダウンしている。その要因は早く進化するテクノロジーについていけなかったこと。
    • またマイクロソフトはノキアを75ドルもの巨額資金で買収したが成果はでていない。アイフォンやアンドロイドに対して手を打てなかった。
    • 最大のポイントはサービスの上の概念であるプラットフォーム。プラットフォームに参画しているかどうかが命運を分ける。
    • 見習うべきはアマゾン。同社は Re Invent というキーワードのもと、徹底的にイノベーションに取組んでいる。
    • 例えばアマゾンのEブックは、本来の自社商品である書籍と競合するサービスであるが、取引先を説得して参入した。同社の理念は Innovation culture cannibalize your own core ということである。

    (3)マス・ロボティクスの狙い

    • シリコンバレーの様なイノベーションを生み出す様なエリアを創出するためには、
      1)資金
      2)優秀な人材を輩出する学術機関 3)スポンサーとしての大企業 が必要。
    • マス・ロボティクスはボストンをロボット分野でのイノベーションの地とすることを目的としている。

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