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海外視察レポート

ドイツグレートカンパニー視察セミナーレポート:5日目

片山 和也

更新日:2018.05.14

驚きのグレートカンパニー視察セミナー

 

2018年 4月27日 金曜日 このセミナーについて>>

ドイツグレートカンパニー視察セミナーレポート:5日目(2018年 4月27日 金曜日)

視察7社目:roger Elektronikbauteile GmbH

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同社の社長・幹部

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同社内の工場の様子

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タレパン・レーザー複合機

 

(1)roger社の概要

  • 同社はフランクフルト近郊に本社・工場があり、グループ従業員400人の制御盤BOXメーカーである。本社は敷地面積2万平方メートル、本社事業所の社員は50人である。
  • ドイツ国内の他にポーランドにも工場があり、売上高はグループで3900万ユーロ。今期は4000万ユーロの売上を見込む。
  • 顧客はオーティスエレベーターといった大手企業をはじめ、鉄道向けやIT業界など多岐にわたる。
  • 特にIT業界向けのオーダー制御盤BOXの生産に強みを持ち、「ハイテク保護のワンストップサプライヤー」を志向している。

 

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溶接工程の様子

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製造途中の制御盤BOX

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自動シーリングマシン

 

(2)同社の生産システム

  • 板金から溶接、組立、塗装、シルク印刷まで、制御盤BOXの製造に必要な工程は全て内製している。制御盤BOXの外装に用いる、シルク印刷の版の製作までも内製している。
  • また従業員の数に対して加工設備数が多く、いわゆる労働装備率が高い。
  • 多品種少量のオーダー性の高い仕事はドイツ国内の本社で行い、数出る量産の仕事はポーランドで行っている。仕事の付加価値によって生産する場所を変えている。
  • 本社工場も従業員50人に対して、敷地面積が2万平方メートルと広い。日本の工場と比較して土地がふんだんにあり、スペースの使い方はぜいたくである
  • バーコードリーダーで管理された作業票がワークには貼られている。「インダストリー4.0を取入れているか?」との質問に対しては、「これからだ」とのこと。

 

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同社の製品を格納する自動倉庫

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組立てられた製品例

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工場視察後、同社社長からのプレゼン

 

(3)同社の経営方針

  • 工場視察後、同社社長のスタインバッハ氏から講演を受けた。
  • 毎年計画的に投資を行っており、投資は継続的に行っていく方針である。本社においてもストッカー・ローダー付の複合機を設置、また自動倉庫を保有するなど、自動化を意識して行っている。
  • 同社のビジネス・ドメインは「ハイテク保護のワンストップサプライヤー」である。新しい分野も積極的に手掛けている。最近では大型デジタルサイネージの仕事を請負い、屋外での耐久検査なども代行して行っている。
  • 内製率が高く制御盤BOXへの一貫生産を実現していること、ポーランドなど周辺国をうまく活用していること、また大手ハイテクメーカーと直接取引を行うことが、同社の強みである。
  • ドイツの中小企業法では、従業員500名未満を中小企業と定義している、そうした意味で同社はドイツの中小企業である。

 

視察8社目:Arend Prozessautomation GmbH

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同社の外観

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同社社長のハース博士

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同社からのプレゼンの様子

 

(1)同社の概要

  • Arend社はインダストリー4.0を推進するための、あらゆるサービスを提供するシステムエンジニアリング会社である。経営陣はほとんどが博士号を保有するエンジニアである。
  • 従業員は35名。創業は1987年である。
  • 同社は現場のあらゆる機械・設備をつなぎ、生産管理システムやさらに上位レベルのERPなどをつなぎ、統合するシステム技術のノウハウを持つ。
  • 受託でオーダーメイドのサービスを提供する一方、現場における機械・設備からの情報収集ユニットといった自社オリジナル製品も持つ。

 

(2)成長著しい同社

  • 現在の同社の従業員数は35人であるが、来年は50人に増える。また来年はビルを新築して本社を移転する予定。
  • 昨年度の売上400万ユーロであったが、今年度は500万ユーロ(約6.8億円)になる見込み。ここ数年は毎年2割成長で業績が伸びている。
  • ERPを提供するSAP社に対して、同社の場合は現場に強いシステムエンジニアリング会社である。ドイツにおけるインダストリー4.0の推進の舞台裏には、同社の様な中小システムエンジニアリング会社の存在が挙げられる。

 

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IE4.0を実現する同社サービスの一覧

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機械をつなぎ必要な情報を収集する

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同社が商品化を図った情報収集ユニット

 

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ドイツグレートカンパニー視察セミナーレポート:4日目

片山 和也

更新日:2018.05.10

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2018年 4月26日 木曜日 このセミナーについて>>

ドイツグレートカンパニー視察セミナーレポート:4日目(2018年 4月26日 木曜日)

視察6社目:ハノーバーメッセ

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会場内の様子

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IoT関連のブースには人だかり

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最大の出展面積のシーメンス社

 

(1)ハノーバーメッセの概要

  • ハノーバーメッセは東京ビッグサイトの約5倍の面積を持つ見本市会場で、全世界から約30万人の集客を誇る、世界最大の総合産業見本市です。
  • ハノーバーメッセの会場は、大きくテーマごとに次の5つに分かれている。
    ① Integrated Automation, Motion & Drives
    ② Digital Factory
    ③ Energy
    ④ Industrial Supply
    ⑤ Research & Technology
  • 2018年のハノーバーメッセのテーマは前回に引き続き「インダストリー4.0」である。

 

(2)インダストリー4.0:シーメンス社ブース

  • インダストリー4.0の中心企業の1社であるシーメンスは、ハノーバーメッセの中でも最大の展示面積を誇る。
  • シーメンス社のブースのコンセプトは大きく2つ。1つ目はデジタルとハードの融合。デジタルの世界で事前にシミュレーションを行い、その結果をものづくりに反映させる。
  • 例えば、本来であればワーク変更に伴いラインを停止させる必要があった工程が、事前シミュレーションによりラインを停止させずシームレスに多品種少量生産が可能になる。

 

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航空機生産において事前にデジタルの世界でシミュレーションした内容を、実際にロボットがシミュレーション通りに作業を行うデモの様子

 

  • 2つ目はマインド・ソフィアである。マインド・ソフィアは、シーメンス社がIoTのプラットフォームとして、広く世界に広げようとしているIoTのクラウドツールである。
  • 同様のプラットフォーム(同社のライバル)として、米国GE社のプレディックスが挙げられるが、プレディックスは主にGE社製のジェットエンジン・医療機器・発電プラントをつなぐことを前提に考えている。その点、マインド・ソフィアはシーメンス製品に関わらず全ての機器をつなげることを前提に考えており、ここがGEと大きく異なる点である。

 

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2階建てのシーメンス社ブース

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2階ではマインド・ソフィアを展示

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サッカーでもマインド・ソフィアを活用

 

     

  • 例えばドイツのコンベアメーカーはマインド・ソフィアを導入し、そのコンベアが故障する前に顧客に異常を知らせるサービスを始めた。製造業が単なるモノ売りではなく、サービスを売るという変革に貢献している。
  • マインド・ソフィアは工場だけでなく、あらゆる産業やサービス業でも導入が進んでいる。都市の信号制御をはじめ、サッカーチームの選手の靴などにセンサーを埋め込み、最適なチームプレイを検証するためのIoTでも活用されている。
  • マインド・ソフィアはクラウドであり、アマゾンのAWSやマイクロソフト社など、ソフトウェア会社とのパートナー化を推進している。

 

(3)インダストリー4.0:ボッシュ社ブース

  • ボッシュはSAPやシーメンスと並び、インダストリー4.0の中心企業の1社である。同社は世界的な自動車部品メーカーとして知られるが、同時に工場FAシステムのメーカーでもあり、電動ドライバーなどの総合電動工具メーカーでもある。
  • ボッシュ社のブースは同社のIoTモデル工場をコンセプトに、IoTによってつながる工場、その結果、かなりの多品種少量生産であっても従来よりも極めて短いリードタイムでモノづくりが行える点を強く訴求していた。

 

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同社ブースの様子

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シーメンスに次ぐ規模のブース面積

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同社製FAシステムのデモ

 

(4)最新3Dプリンタ動向

  • 3Dプリンタは材料が効果であること、また加工時間を要することから従来は試作用途が多かった。
  • しかし近年では航空機部品や医療機器部品など、高付加価値部品を対象として量産部品に採用されるケースも増えてきている。
  • 3Dプリンタで世界トップクラスのシェアを持つ3Dシステムズ社のブースでは、3Dプリンタを並列に並べ、3Dプリンタによる無人量産工場のコンセプトを発表していた。

 

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3Dシステムズ社の3Dプリンタ

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3Dプリンタを並べた量産工場

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樹脂による3Dプリンティングの様子

 

(5)協業ロボットについて

  • 今回のハノーバーメッセの見所の1つは協業ロボットです。協業ロボットは従来の産業用ロボットと異なり、人と一緒に働けるコンセプトのロボットです。
  • 従来の産業用ロボットは「人ができない仕事をさせる」ことが主旨ですが、協業ロボットは「人が行っている仕事を置き換える」ことが主旨です。協業ロボットのポイントとして、次の4つを挙げることができます。
    ① 人と働ける様な高度な安全対策がなされている
    ② 操作が容易である
    ③ コンパクトで可搬重量が5~10kgと小ぶりである
    ④ 早期の投資回収を志向している
  • 協働ロボットの世界シェアNo1はデンマークのユニバーサルロボット社です。
  • ドイツNo1ロボットメーカーのKUKA社では、協業ロボットがビールを注ぐデモを行っていました。KUKAに次ぐ欧州トップクラスのロボットメーカーABB社では、相腕ロボットによる協働ロボットのデモが安全柵無しで行われていました。

 

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KUKA社の協業ロボット

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ユニバーサルロボット社の協業ロボット

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ABB社の協業ロボット

 


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