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実況中継 1

部品加工業経営コンファレンス2016

片山 和也

片山 和也

更新日:2016.02.02

2016年1月29日(金)このセミナーについて>>
第1講座:
『技術訴求』から『価値訴求』へ! 
ものづくりの進化形を創る、当社が取り組む加工業『新』ビジネスモデル
講師:株式会社最上インクス 代表取締役社長 鈴木滋郎様

部品加工業経営コンファレンス2016、第1講座は「『技術訴求』から『価値訴求』へ! ものづくりの進化形を創る、当社が取り組む加工業『新』ビジネスモデル」と題しまして、株式会社最上インクス 代表取締役社長・鈴木滋郎様よりお話しを頂きました。
精密板金加工会社の三代目社長として2010年に社長に就任された鈴木社長は、リーマンショック後の売上減少に対応するため、新しい取り組みへの挑戦を行いました。最上インクスの特徴であり、強みの試作板金で新たな市場を開拓するにあたり、3つの課題解決が求められました。
①新興企業・海外企業との競争 
②ものづくりからコトづくりへ変化することで、専門性と多様性が求められる 
③多品種少量化による仕事の変化
これらに対応するために2つの戦略に基づくソリューションビジネスを立てました。それが、1つが国内向けのビジネス戦略(Local戦略)、2つ目が海外向けのグローバルビジネス(Global戦略)です。特に、海外向けには試作品の製作に絞込み未開拓スペースの開拓を進めました。最上インクス様お企業理念を中心に、どのように海外マーケットを拡大し、ソリューションビジネスを深めていったかを事例をお話し頂きました。
また、2つの戦略を進めるにあたっての社内調整のエピソードや今後のビジョンなど、今回の講演でしか聞くことのできない、貴重なお話しをして頂き、質疑応答の時間では、ご来場した経営者の皆様と活発な意見交換となりました。

  

  

第2講座:
医療機器業界新規参入のポイント
講師:株式会社スズキプレシオン 代表取締役会長 鈴木庸介様

第2講座では、「医療機器業界新規参入のポイント」と題しまして株式会社スズキプレシオン代表取締役会長鈴木庸介様にご講演頂きました。

スズキプレシオン様は、以前は微細切削加工とチタン切削加工の技術を活かし、半導体部品の製造を行っていらっしゃいました。しかし、半導体業界には景気の波が激しく、売上の見込みの不透明感と海外での生産の加速による国内の空洞化という特徴があります。その中、2005年に改正薬事法が施工され、業許可取得により部品受注に優位性を持つことができるようになりました。そのため、スズキプレシオン様は2006年に医療機器製造業の許可を取得、2007年にはISO13485を取得し、医療機器分野への参入を果たされました。

医療機器分野への参入方法は大きく分類して部品供給と製品開発が挙げられます。
まず、部品供給を考えるうえで、現在の国内の医療機器部品業界では以下の特徴があります。1)欧米製輸入品が80%~90%を占めており、国内部品生産市場が小さい、2)小ロット多品種生産である、3)試作から製品化まで長期戦になるため資源が必要、などが挙げられます。そのため、中小企業の取る戦略としては、販売受注先への提案によるパートナー戦略や、言葉の壁や商習慣などの整備が必要ですが海外医療機器メーカーへの展開などが求められます。

次に、製品開発を行うにあたっては、国内市場や新興国では高齢化・高度医療需要の拡大が見られますし、政府も医療機器産業を成長分野として見据え、マッチングや補助金などの支援体制が整備されています。また、医療機器はニッチ分野であるため、中小企業の出番も大いにあり、新規参入は今が旬であると言えます。ただし、医療機器開発を行うにあたって、様々な注意も必要です。医療機器の開発には多額の初期投資が必要となるため、本業の事業が安定して利益を確保できていることが大前提となります。そのうえで、多額で開発した製品が知り合いの大学病院にしか売れなかった、などの事態を防止するためにも、製品の販売会社を確保することも非常に重要になります。販売会社確保のためのスズキプレシオン様が行っている医療学会・展示会への出展や共同研究、セミナーへの参加などの具体的方策についてもお話しいただきました。
その他にも自社の製品開発の事例など、内容の濃い講座となりました。

第2講座:
航空機業界参入のポイント
講師:九芝エンジニアリング株式会社 顧問 大宮昭博様

航空機業界は、これから十数年で現在の4倍超の市場拡大が期待される世界屈指の成長産業です。また安定的に一定量の仕事が確保できる業界でもあります。今回のセミナーでは、大手ジェットエンジンメーカーの工場部門で、製造部長、生産技術部長、生産管 理部長、工場長を歴任してきた大宮昭博氏に、特にジェットエンジン分野における部品加工サプライヤーの要件、また同分野における参入のポイントについてお話いただきました。

ジェットエンジンは、「軽さ」と「耐熱」を追求しつづけてきた歴史があり、時代と共に使用材料が大きく進化していきました。1950年代に開発されたエンジンは材料全体の85%が鉄でできており、切削加工や製缶溶接で軽量化を実現していました。1970年代になると、比重が大きい鉄は材料全体の約10%まで下がり、鉄より比重が小さいチタンが重宝されました。また、1500℃に耐える耐熱性も求められるようになりニッケル/コバルト(耐熱)の使用量が50%を超えてきました。加工方法も時代と共に変化してきました。

そのような理由から、ジェットエンジンへの参入は「高度な品質、特殊な素材の加工技術」が要求されるため参入障壁は高いです。最新のジェットエンジンが求める先進材料は、樹脂基複合材料(FRP)、単結晶合金(SC)、 チタンアルミナイド(TiAl)、金属基複合材(MMCまたはFRM)、セラミックス基複合材料(CMC)などです。このような材料を加工できる技術を持つ企業が参入するポイントは4つあります。 ①「革新的な技術」を持って積極的にエアーショーに出展し売り込む。 ②開発案件が多い時にジェットエンジンメーカーの協力会社に接触し仕事をもらう。 ③HIPや電子ビーム溶接など「高額・特殊設備」を有する。 ④各地域や県が支援する航空機産業参入支援事業に参加する。とのことです。
大宮昭博氏は、ジェットエンジンにおける実情や今後について、分かりやすく丁寧にお話いただきとても充実した内容の講座となりました。

第3講座:
産学連携による「独自技術」の開発と、「新成長市場」を攻める我が社の取組み
講師:株式会社橋川製作所 代表取締役 橋川栄二様

「産学連携による「独自技術」の開発と、「新成長市場」を攻める我が社の取組み」というテーマで株式会社橋川製作所 橋川栄二社長様よりご講演をいただきました。橋川製作所様は、放電加工に特化した他に類を見ない技術力を売りとされている会社で、様々な業界の精密微細加工を得意とされています。その高い技術力から「ものづくりの駆け込み寺」とも呼ばれ、先日は、地元新広島テレビより取材も受けられていました。
今回のセミナーでは、橋川製作所様がいかにして技術力を高めて、独自技術をもつ会社となることができたのかを中心に、放電加工の原理からお話いただきました。

(以下橋川社長様ご講演内容抜粋)
橋川製作所様は先代まで、服飾のブリキ缶を中心に製造をされておりました。徐々にブリキ缶に対するニーズが減少しており、現社長である橋川栄二社長が、1988年放電加工事業部を立ち上げ、技術開発を進めてこられました。
自社に戻られるまで、橋川社長ご自身が放電加工機メーカーで技術指導をされていたことから、放電加工に対するノウハウをお持ちで、事業部立上げ後は、大学や研究機関との連携を行い、放電加工に特化した研究開発型企業へと事業転換を図られました。
現在では、独自技術として確立された放電加工を用いて、機械加工では難しいとされる人工ダイヤモンドや超硬合金、導電性セラミックに対する超微細加工等を行い、航空宇宙等の特殊環境下で用いられる部品の製造を行う事で新成長産業への参入に成功されています。
新成長産業参入におけるポイントは、高い技術力を保有し、オンリーワンの存在となることで、その高い技術開発力は先端技術開発を進めている官学との連携が必須であり、情報、資金面おいて重要な要素であるとのことでした。
また、セミナーの中では、これまでに製造されてきた部品をお持ちいただき、加工におけるポイントを、加工した製品を手に取りながら、お聞きすることができ、とても充実した内容の講座となりました。

第4講座:
自社の「強み」発見法
講師:株式会社船井総合研究所
ファクトリービジネスグループ 中野新

自社の「強み」を発見する理由は収益性を改善するためです。収益性は次のような2つの方法で改善されます。1つ目は「良い取引先と付き合うこと」です。業績の良い取引先との新規取引や取引拡大によって収益性が向上します。反対に業績が悪い取引先と付き合っても多くの場合は、発注先が利益を確保するために外注先にしわ寄せは来てしまいます。そのため、多くの仕事は低価格かつ短納期を要求され収益性が悪くなります。2つ目は「自社が得意な加工を行うこと」です。仕事をたくさん受けて、自社が苦手な仕事だと現場が混乱し生産性が低下してしまうので可能な限り受けないようにします。自社が得意な仕事を専門的に行うことで現場の生産性は上がり、且つ競合他社よりも低コストで高付加価値の製品を製作できるので収益性が向上します。このような2つの方法を実現させるために自社の「強み」を正しく認識し伝えることが必要となってきます。

自社の強みを発見する方法として、図面分析があります。数百枚の図面から各データ(業種別、製品別、受注数別、材質別、2次加工など)を抽出しそこから強みの仮説を立てます。仮説の落としどころは次の2つのいずれかです。1つ目は「メーカー化」です。ある特定の製品において実績が豊富な場合は、製品カタログを自社で発行し専門WEBサイトを作ることで、これを見た見込み顧客は「●●(製品)について詳しそうだ。相談・注文してみよう。」となります。粗利率が高い特定の製品があれば強みになります。。2つ目は「工法転換」です。「工法転換」とは、従来とは異なる加工法に置き換えることでお客にコストダウンを提供する技術のことです。自社が普段行っている仕事の中で工法転換を行っている例があればそれは強みになります。このように、図面分析によって得られた仮説を検証するために市場分析を行います。市場分析の内容は、取引企業・業界、競合企業へのヒアリングやネット市場分析を行います。これにより自社の強みが「本当に強みであるかどうか」検証することができます。
図面分析や市場分析によって導き出した強み(メーカー化・工法転換)をWEBや展示会で訴求することで、業績の良い企業から引合を得られることができます。

第4講座:
大手企業を攻略する新規開拓モデル
講師:株式会社船井総合研究所 
ファクトリービジネスグループ 宮本公平

B to Bビジネスを行う、我々、部品加工業、いわゆる受託型加工業は、取引先の規模や業績が、売上、利益、そして生産性に大きく影響を与えます。そして、発注ボリュームとリピート性があり、今後成長する業界の大手企業の新規開拓は、部品加工企業が永続的に成長するために行わなければならないテーマの1つです。そして、成長業界も、ある特定の業界が常に好調であり続けるということはなく、波が必ずあります。ですので、特定業界に依存することなく、常に新しい優良顧客を開拓し続けなければなりません。

さらに踏み込むと、大手企業の中でも、我々の差別化要素である”加工技術”という付加価値を評価する、開発購買をターゲットにしなければなりません。本講座では、その開発購買から問い合わせを獲得できる、PULL型のビジネスモデルをご紹介させて頂きました。

PULL型のビジネスモデルというのは、
①ターゲット(潜在顧客)に向けて情報発信を行う
②その情報に共感するターゲット(見込み顧客)から、問い合わせを受ける(発生させる)
③問い合わせがあった見込み顧客にたいして、人的営業活動
④新規に口座を開設
⑤リピートで取引を行う
という、一連の流れを指します。

ここでポイントとなるのは、どのような情報を、どうやってターゲットに伝えるか(伝達手段)、ということです。まず、伝達手段としてあげられるものはインターネットの活用です。開発購買は常にサプライヤーの情報を探しており、そして、彼らが一番初めに活用する情報収集媒体がインターネットであるからです。また、インターネットは24時間働き続ける営業マンとしてとらえることで、限られた経営資源を最大限に効率的に投入できる方法としてあげることができます。また、今後は広告媒体としてのインターネットのシェアは拡大し続け、2020年には、4マスと呼ばれたテレビ、ラジオ、新聞、雑誌を超える媒体となると言われています。

次に、どのような情報(コンテンツ)を発信しなければならないか、ということになりますが、これは、開発購買が求めている情報でなければなりません。開発購買がどんな情報を求めているかというと、それは自社の製品競争力を向上させる、工法転換や素材変更などのVA/VE提案です。つまり、VA/VE提案をインターネット上でどれだけ発信できているか、が大手企業の新規開拓のポイントとなります。

本講座では、船井総合研究所のファクトリービジネスグループの運営する部品加工業経営部会の会員様を中心とした、大手企業の新規開拓に成功した事例を中心に、その開拓方法をご紹介させて頂きました。セミナー終了後の質疑応答の時間では、具体的に今、大手企業の新規開拓が課題となっている参加企業様から様々なご質問を頂き、具体的な説明とフィードバックをさせて頂きました。本講座でお伝えした内容から気づきを発見して頂き、今後の事業戦略に活用して頂ければと思います。

第4講座:
VA・VE提案で量産品受注モデル
講師:株式会社船井総合研究所 
ファクトリービジネスグループ 中小企業診断士 大橋賢作

機械加工や板金・製缶加工などの多品種小ロット部品の受託加工ビジネスと比較して、プレス加工、射出成形、鍛造など、我々量産部品の受託加工ビジネスの受注は、一段と難易度が高くなります。
量産部品を受託する会社には、基本的なQCDSに加え、トレーサビリティー、システム化、人材(生産管理責任者、品質管理責任者)、実績、生産能力、地域・物流、認証取得、技術提案、製品開発体制、などといった要素をもととした製造業としての総合力が問われることになります。
獲得する見積もりの多さが一つのKPIとなる多くの部品加工ビジネスとは異なり、上記の要素が前提となることが特徴です。

なぜ、量産品部品の受注は難しいのか。そのポイントを集約すると以下の3点になります。
(1)転注リスク
調達する側からすれば、「転注」には大きなリスクが伴い、供給体制、品質保証、商習慣など、実績の無いサプライヤーに発注先を切り替えることは極力避けたい事情が存在します。なお、価格競争にも陥りやすい転注による受注は極力避けるべきであります。
(2)イニシャルコスト
量産品を生産するためには、開発費用や金型などで初期投資が伴うため、開発パートナーとなるには前段階で相応の信用・信頼を獲得する必要があります。イニシャルコストの存在が、量産品の受注を難しくしているということです。
(3)量産マーケットは見つかりにくい
量産マーケットとして、大きな存在であった自動車産業の海外移転が進行し、国内に残る量産部品市場は縮小傾向にあります。そうなった際に、今後も国内に残る新たな量産マーケットを見つけにくいという点があります。

量産マーケットとしては、次世代自動車や医療機器、ロボット、IoT、航空機、インフラ・エネルギー分野など、新量産マーケットとして有望な分野はまだまだ多くあります。
我々はこうした潜在的な量産マーケットを狙った新規開拓を行っていく必要がありますが、人的営業では限界外があります。そのためには、自社がこれまで接点が無い業界分野から引き合いを獲得するマーケティングの仕組みを作ることが重要です。
ここで注目したいのが、我々の量産部品受託加工ビジネスで受注に至るまでに必ず通過することが何か考えて見ましょう。
引き合い時の工場見学、開発打合せでの視察、量産化に向けた監査など、少なくとも数回に渡り、客先による工場見学、視察、監査を受け入れることと思います。
つまり、量産部品受託加工ビジネスのKPIは、工場見学、視察、監査の「件数」×「満足度(来訪者の)」と置き換えることができます。
それでは、工場見学・視察・監査の「件数」を増やすためには何をすべきか?
今なら、主力情報媒体は、圧倒的にWeb(インターネット)です。また、量産品ビジネスでは、人的な関係構築が必須であるため、Webに組み合わせて展示会・商談会といった場にも積極的に出向く必要もあります。
続いて、自社の技術・ノウハウを使って実現できる相手にとっての直接的メリット、すなわちVA・VE提案を訴求することが重要です。既存客に対して当たり前のように行っている技術提案であっても、新規の見込顧客に対して積極的にこのベネフィットを訴求している会社は、実はそれほど多くありません。
自社の技術を単に自慢するだけではなく、ターゲットとなる開発・設計エンジニアのニーズを満たす打ち出しが必要です。だから、VA・VE提案なのです。

量産品受注のためのマーケティングアイデアとしては、以下の6つをご紹介させていただきました。
① VA・VE 小冊子
VA・VE提案をBefore&After形式の事例集として小冊子にしたものであり、Web上で無料プレゼントとして資料請求やお問い合わせを発生させる集客ツールとなります。また、訪問時や展示会、商談会での営業ツールとしても活用できます。
② Webサイト
VA・VE事例を掲載しエンジニアの問題解決を図る「ソリューションサイト」や特定の部品カテゴリーの特注品メーカーであることを見せる「特注メーカーサイト」など、引き合い発生に繋げることができるWebは今や必須の情報発信媒体です。
③ 展示会・商談会
量産品受託加工ビジネスでは、展示会・商談会での接点がポイントとなります。その事前・事後の情報収集にWebサイトが見られます。また、営業ツールが必要となります。マーケティング媒体を複合的に組み合わせることで成果に繋がりやすくなります。
④ ラボという魅せ方
工場見学・視察の好奇心を喚起し、来訪者の満足度を向上させる方法として、”ラボ”という魅せ方があります。大手メーカーあるいは、その一次サプライヤーの多くは、自社内に展示スペースが常設してあり、来訪者を迎える姿勢が整っています。量産品の受託加工業が迎える来客は、目の肥えたエンジニアが多いです。一町工場と一線を隔すために、たとえば測定器・試験機器、製品サンプルが設置されたラボがあるというのも、魅力を高める方法の一つです。
⑤ 技術セミナー
技術セミナーには、メーカーに出向いて行う出張技術セミナーと、自社に招いて行う受入型セミナーがあります。VA・VE小冊子の内容をテキストとして活用し技術セミナーを行うことで、開発パートナーとしての位置づけを獲得することに成功した事例がいくつもあります。
⑥ ステップ商品
量産品開発ではイニシャルコスト発生段階に至る前に高い壁が存在します。段階を踏み、信用・信頼を獲得するためのステップ商品を設定することが重要です。例えば、樹脂射出成形で言えば、樹脂切削試作、流動性解析、3Dプリンタのモックアップ試作などです。

本講座では、部品加工業の中でも、特に金型が伴う量産部品を扱う企業向けに新規開拓に関するマーケティング手法をご紹介させて頂きました。
セミナー終了後の質疑応答の時間では、ステップ商品に関する具体例など様々なご質問を受けフィードバックをさせて頂きました。
本講座でお伝えした内容から気づきを発見して頂き、今後の事業戦略に活用して頂ければと思います。

第4講座:
ネット戦略で新規1億円付加モデル
講師:株式会社船井総合研究所 
ファクトリービジネスグループ 三宅康太

2016年1月29日、(株)船井総合研究所 東京本社 にて、部品加工業「経営」コンファレンス2016が開催されました。その第4講座にて、ファクトリービジネスグループ 三宅 康太 より「ネット戦略で新規1億円付加モデル」についてお伝えさせて頂きました。

 WEBを活用して新規顧客を獲得しましょう、という手法は今のネット重視の社会の中では当たり前のように言われています。しかし、実際にただ単にWEBサイトを制作したからといって簡単に自社の望むような引合が来ることは少ないと考えられます。WEBサイトを活用して効果的に新規引合を獲得するためには、3つのステップを踏むことが重要です。

 まず1つ目のステップは、「自社の”強み”から商品・サービスを決定する」ことです。これからの時代に企業が生き残るためには、他社と差別化を図ることが必要です。そのためには一点突破が可能な自社の強み(=得意な技術、かつ利益の取れる技術)を持つことが重要です。その強みを知るためには、技術者目線から見て自社内で優れていると思うことと自社のこれまでに利益をもたらしてきた仕事を照らし合わせることが重要です。そして、見つけられた強みは自社のターゲット企業に対して見える化する必要があります。そこで自社の強みを基にした技術ハンドブックを制作し、オーダーメイドがメインである部品加工業が自社商品を持つことで、引合の際の集客商品として位置付けることが可能となります。

 続いて2つ目のステップは、「商品・サービスをターゲットに伝える手段を決定する」ことです。自社の商品が決まったとしても、その商品を売り込むための手段が適切でなければ、期待している成果を出すことは難しくなります。そして、WEBサイトを使用して引合を獲得するためには検索時に上位表示されるためのSEO対策やWEBサイト内部の動線設定が重要であることをお伝えしました。

 最後に3つ目のステップは、「WEBサイトを運営し、PDCAサイクルを回す」ことです。Googleが無料で提供しているGoogle Analyticsなどのツールを活用することによって、WEBサイトが完成した後にも市場のニーズが何であるのかを知ることができます。そして、そのニーズに合わせてWEBサイト内容を適合させていくことによって、さらなる引合獲得が可能となります。

 以上のように、WEBサイトから優良な新規引合を獲得するためには3つのステップを着実に踏むことが重要になります。

第4講座:
VA・VE提案で量産品受注モデル
講師:株式会社船井総合研究所 
ファクトリービジネスグループ チームリーダー 高野雄輔

2016年1月29日、(株)船井総合研究所 東京本社 にて「部品加工業経営コンファレンス2016」が開催されました。その第4講座にて、ファクトリービジネスG チームリーダー 中小企業診断士 高野雄輔 より「部品加工業のためのOEM設計・メーカー化戦略」についてお伝えさせて頂きました。

高野からは、早い時代の流れの中では、これまでのビジネスや職業が人工知能やロボットに置き換わっていく可能性は極めて高く、それは我々部品加工業においても例外ではないことをお伝えしました。そして今後は、これらの新しい技術をうまく活用できる企業のみが生き残っていくことででき、かつ人間にしかできないと考えられる業務に集中していく必要があり、そのためにも作業標準化やロボットの導入は必須であり、今から進めていくことが必要だということをお話ししました。
 そういった意味で、今後も加工のみを行っていくのは極めてリスクが高く、部品加工業が生き残るための複数の手段の中でも、OEM受託を行っていくこと、メーカーになっていくことは特に主導権を持つ意味で戦略的に取り組んでいく必要があります。講座の中では、単品加工しかできない企業が、VE提案を通してOEM受託を進めていくためのステップをお伝えしました。
 この講座にご参加頂いた経営者の方には、ぜひ何か一つでも持ち帰って頂き、将来に向けての一歩を踏み出して頂ければ幸いです。

第4講座:
海外WEBマーケティング
講師:株式会社船井総合研究所 
ファクトリービジネスグループ  山崎 悠

1.なぜ海外マーケットを狙うのか
町工場が狙うべきなのは明らかに先進国です。下記のグラフは世界の人口と世界のGDPのシェアを示したものですが、世界人口の1/6の先進国(OECD)で世界全体の65%超の富を稼ぎ出しています。つまり先進国以外を相手にビジネスをするということは所得水準が明らかに異なる消費・生産主体を相手にする必要があり、ビジネスモデルを根幹から変える必要があります(例:P&G、ヤクルト等のBPOビジネス)。

多くの町工場では経営資源が限られるため、「日本でのものづくり」を行いながら、「先進国企業に売る」ことが原則となります。中でも技術革新を必要とする企業等に売ることがひとつ指針となるでしょう。そのひとつの目安になるのが各国のR&D投資額と各企業のサプライチェーン構造です(以下省略)。

また日本企業の医療機器産業は世界全体と比較すると小さいことも特徴な一方、医療機器輸出の全体を大きく占めるのは欧州企業です。

2.強みを明らかにする
海外企業においても既にサプライチェーンが出来上がっています。海外企業と取引を開始するためには、既存サプライヤーとの違いを明確に表現できなければなりません。
「なぜ自社と取引すべきなのか」
ということを一言で表現できる必要があります。まず日本語で強みを一言で言えるようにしましょう。日本語で、一言でいうことができないのに、英語で、ドイツ語で、フランス語で、中国語で、一言で言えるわけがありません。海外の町工場と比較した時に自社が何で勝るのか、納期なのか精度なのか、材料対応なのか、コストなのか、その点をよく考える必要があります。

3.海外マーケティングのよくある失敗
「海外を攻めたいからドイツの展示会に出た」「英語版も作った方がいいですよと言われて英語サイトも作った」ということをよく伺います。しかしそのような取り組みをした企業のほとんどが上手くいっていないようです。
海外の展示会は日本の展示会のおよそ10年先の形態で進んでいます。展示会会場でサプライヤー探しをすす会社などはほとんどありません。会場を歩き回ってサプライヤーを探すということは過去の光景です。展示会はすでに目的を持った商談の場となっています。
WEBサイトについても日本語サイトから現在どれだけ問合せが発生しているでしょうか。日本語でWEBサイトを作って、月に数件の問合せしかないのに、英語版のサイトからどれだけの問合せが発生するでしょうか。
これらの失敗の多くは、「誰に(ターゲット)」「何を(商品・サービス)」伝えて、どのような行動を起こしてもらいたいのか、深く追求していないことに起因します。

4.海外WEBマーケティングのステップ
海外WEBマーケティングを進めていく上では、まず強みを明らかにする必要があります。この強みをコンテンツとして展開していくことが重要ですが、この中では自社が売りたい技術の市場性の把握、そして競合企業ホームページの調査とコンテンツの包み込みが重要となります。特に攻めたい国や産業が決まっている場合は技術を絞りこんで競合企業ホームページ調査を行い、必ず競合他社を凌駕する形の量、幅、質のコンテンツを作成します。ホームページを作成する際は、「一目でウリが分かること」「加工会社と分かること」「顧客目線の表現になっているか」ということが重要です。特に技術優位性がはっきりしている場合は、積極的にWEB広告を活用した集客を実施し、テストマーケティング、ホームページの改善を1~3ヶ月といった比較的短期間でPDCAサイクルを何度も回すことが重要になります。海外の展示会に出展する場合は費用が安くとも200万円以上掛かってしまいますが、この費用分をWEBマーケティングに回すことで圧倒的に低コストで集客とテストマーケティングが可能となります。

5.海外マーケティングの進め方
部品加工業はBtoB取引であるため、最終的に継続取引に繋げようと思うと直接対面の営業が必要になります。展示会の活用を行うのはこの段階です。ある程度の見込み客情報が集まった段階で展示会に出展し、具体的な商談を行うことが理想的な展示会活用になります。また事業規模が拡大できそうな場合は、現地への営業所開設も必要です。北米にせよ欧州にせよ、日本とは時差、距離等のために円滑なコミュニケーションがとりにくいため、営業所はほぼ必須と言えます。しかし実際に営業所を出すまではREPの活用がポイントになるでしょう。

6.まとめ
海外マーケティングをはじめとした新規の取組を進める上では、「小さく始めて大きく育てる」ことが基本ルールです。勝負する技術を決めた上で、投資するもの(費用・時間・人)が少ないところから始めていきます。部品加工業にいおいては、最も低コストなホームページという広告から取り組むことが重要でしょう。そこで可否判断、PDCAを回し、展示会、REPの活用、営業所出展と大きな事業へとつなげていくことが大事です。

第4講座 : Webマーケティングで新市場開拓の秘訣・成功事例発表
株式会社船井総合研究所
ファクトリーグループ
チームリーダー
シニア経営コンサルタント  井上雅史

現在のWeb(インターネット)が利用されることを10年前に想像できたら人はいたのか?99.9%の人は想像できていないはずです。
しかし、現在は誰もがスマートフォンでインターネットにつながり、通販などを行っています。そういう時代になってきているのです。
要は、新たなテクノロジーが、自分たちのビジネスを変えてしまう可能性があることを認識しつつ、いかに自分たちのビジネスの取り入れていくかを考えることが重要です。
こうした現状を受けて、部品加工業もマーケティング面でのWeb活用を急務になってきています。

  

  

事実、既にWebマーケティングを行っている部品加工業業は、新規開拓はすべてWebからになっている現状があるほどです。Webという新しいテクノロジーをどう自社の経営に当てはめるかが重要になります。
また良い会社を作るうえでは、時流適応をしていかなければいけません。
何を適応させるのか?
それは、ターゲットである(誰)、自社技術・機能(何を)、受注システム(どのように)です。特に、インターネット(Web)という新たな武器をどう活用するかが重要です。

永遠のテーマですが、最も重要になるのは自社の技術である(何を)をです。
結局、市場と繋がる為に、やれること、できることは限られます。人的営業はもちろん重要です。ただ営業人員の制約と営業品質のバラツキにより、現在では、非効率な方法です。
今やって頂きたい方法としては、
①マッチング人脈(紹介・展示会)
②プル型営業システムの構築(Web、各種広告)
です。

受託加工業が今後していかなければいけないことは、顧客・市場を知ること。少しの研究が必要です。
また、受託加工業は「伝える力」を鍛えることがインターネット時代もっとも重要になります。繰り返しになりますが、今は顧客を探す時代から、顧客から探してもらう時代になっています。
本講座では、部品加工業が狙うべき新市場について、Webマーケティングでどのように新市場を開拓するかについて事例を含めてご紹介させて頂きました。
本講座でお伝えした内容から気づきを発見して頂き、今後の事業戦略に活用して頂ければと思います。

第5講座:
3カ月先まで売上をつくる 営業の仕組み化
講師:株式会社船井総合研究所 
ファクトリービジネスグループ チームリーダー 藤原聖悟

部品加工業の安定した営業数字をつくるためには、十分な仕事量を抱えることが必要になります。本講座では、3カ月先までの仕事量を把握することで業績を安定させる営業の概念と具体的な実施方法を詳しく説明されました。初めに3カ月先までの売上を安定させるために実施する項目として、以下の5点が紹介されました。

1.KPIの設定 (Key Performance Indicator:経営重要指数)
2.売上・受注数字の分類
3.数字の見える化
4.先行管理
5.営業帳票

上記の5点を徹底している部品加工業は、市場の景気に左右されにくく、安定した業績の向上を実現しています。また、業績が上手く安定していない部品加工業の場合あっても、上記5つの工程を実施することで、業績向上を実現するために、何の数字が足りず、どう営業活動を展開することが望ましいかが、明確に、数字から把握することができます。

営業の仕組み化のために、”KPIの設定 ”がStep1になります。”KPI”とは経営重要指数(Key Performance Indicator)の頭文字になり、例えば、”売上”を上げるためには、”見積提出件数” の件数が関係しており、”売上”に注意するのではなく、”見積提出件数”に注意を払おうという概念になります。売上目標の設定だけでは、達成か未達成かだけの判断になり、改善項目が見えないことが問題になります。一方で、最終的な目標までの地点・地点の中間目標が正しく設定できれば仮に最終的な目標が未達成になったとしても、その改善工程を数値で把握することができるということでした。これらを明確にする目的こそがKPIの設定になり、その項目が自社では何になるかをはっきりとさせることの重要性の説明がされました。

次のStep2として、売上と受注数字の詳細な分類の設定と把握、そこに続くStep3として、自社の売上・受注数字の見える化をすることの重要性を実際の事例で説明がありました。売上を単月で見ると、一般的な部品加工業の売上は、次の3つに大きく分類されます。1つ目が”注文残”、2つ目に”把握している案件数字”、3つめに”把握していなリピート数字”になります。そして、この3つの数字は、大きくスポット数字”と”リピート数字”にさらに分類されます。自社の数字を見える化をするポイントがこの分類分けになり、毎月”注文残”や”把握していないリピート数字”:ベース数字が多くある部品加工業様の売上は安定し、スポット数字が売上の多くの比率を締めている部品加工業様の売上は不安定になる傾向にあります。講座の中では、スポット数字が多い部品加工業様が安定した売上数字をつくるためには、取引先数が重要になるとのことでした。また、試作などリピート性がない加工をしている試作会社は、大手企業や案件数を多く持つ必要があるのはこのためです。

そして、Step4では、これまでのステップで数字の分類、見える化によって自社のKPIを先行管理することで実施可能な項目が紹介されました。1つ目に、案件の先行管理による協力会社への仕事の依頼です。部品加工業の場合、加工を依頼する際に問題なるのが技術や品質です。先行管理によって、納期に余裕があり、リピートする仕事を依頼することができるようになる、依頼する側も依頼される側も双方にメリットを享受でき、加工を断られることが少なくなることが実証されています。また、講座の中で、協力会社と良好な関係を築くためには、取引先以上に注意が必要であるとのことでした。2つ目に、発生した案件のフォローの時期の明確化と漏れの防止です。例えば、案件が発生し、見積を提出した後、自社が受注できるか否かを確認するだけでは、取引先担当者にストレスを与えかねません。しかし、先行管理によって取引先からいただいた、案件の最終納期を確認できていれば、ただ案件の動向を確認するのではなく、『もし、自社に発注が来る場合に、社内の生産状況からご迷惑をかけないために、納期をご確認・ご一報いたしました』と、取引先担当者の立場で案件の状況を確認することができます。つまり、案件の納期を確認していれば、自社の立場と取引先の立場の両方の視点から案件の受注確度を向上させることができるのです。
 先行管理をすることで、これらの1つ目:協力会社への仕事の依頼が容易になる、2つ目:案件のフォローがしやすくなり受注確度が向上するという大きなメリットが発生するという事例が紹介されました。

 最後の工程として、本講座の内容を導入・運用するための営業帳票を配布・使い方の説明がありました。船井総研の部品加工業のクライアント様が実際に使用している営業帳票を基に説明があり、3カ月先までの売上・受注を具体的な分類数字毎の合計で見ることができるよう、ベース数字とスポット数字、今抱えている案件数字の記載方法とその具体的な活用方法の説明がされました。すべての枠を埋め終わると、安定的な目標を達成するためにどの数字が足りないのか、そのために営業活動をどう展開すべきなのかが、伝わったのではないでしょうか。

 本講座を受けたご参加企業の中には自社の現在使われている営業帳票を持参され、船井総研が推奨している営業帳票との違いや、今お使いの営業帳票の改善点の質問があり、質疑応答の時間も活気につつまれました。

第5講座:
評価・賃金制度で生産性アップ
講師:株式会社船井総合研究所 
ファクトリービジネスグループ 三村信明

第5講座のテーマKでは、「評価・賃金制度で生産性アップ」と題して、株式会社船井総合研究所 ファクトリービジネスグループの三村信明よりお伝えさせていただきました。

人事制度の考え方として、

1.賃金評価制度は、評価することだけが目的ではなく、企業理念、ビジョン、戦略を実現するためのものであること。
2.そのためには、理想と現実とのギャップを埋めること
3.製造業においては、攻め(マーケティング)、守り(生産性・QCD向上)が要となりその目標を設定し評価・管理していくこと。
4.企業の方針は、99.9% 経営者で決まるが、企業の成長スピードは経営幹部で決まる。 社員の役割・責任を明確にすることで人が動いて、成長する仕組みにすること。
5.人が成長する環境ができ、キャリアプランを提示することができれば、従業員のモチベーションがアップし、離職率が低下し、採用活動(新卒・中途)で有利になること。
以上、5点がポイントとなります。

社員の役割・能力・成果について評価を行い、その処遇を決めるのがあるべき姿です。人事制度見直しのステップ(①資格等級制度、②評価制度、③昇給・昇格制度、④賃金制度)とそのポイントについて順序立ててお話しいたしました。

中でも評価制度においては、会社の方針を明確(経営計画の策定)にし、それを達成するためにKPI(成果KPI、プロセスKPI)を設定すること、幹部を巻き込んで、KPI達成に向けてPDCAサイクルを回していくことが重要であるとお伝えいたしました。

第5講座:
営業利益率10%超ビジネスモデル
講師:株式会社船井総合研究所
ファクトリービジネスグループ グループマネージャー 片山和也

最近、船井総研ファクトリービジネスグループが主宰する、ファクトリービジネス研究会「部品加工業経営部会」においては、受託型製造業(いわゆる下請型製造業)であるにも関わらず、営業利益率が10%を超える事例が多数でてきました。中には15%近い会員企業もあります。では、こうした中小企業版「3K企業」の共通点とは、どの様なことなのでしょうか?

船井流経営法の中に「利益原則」と言われるものがあります。船井総研ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会の中の、営業利益率10%超の「高収益」受託型製造業の皆様は、みなこの「利益原則」に基づいた経営をされています。
「利益原則」とは利益を生み出す絶対条件のことで、次の式で示されます。

利益 = 一番の数 × 扱い品の数 × 主導権 × 一体性

利益原則のポイントは、主導権がないと一番や扱い品がいくらあっても利益になりません。また一体性がないと一番がいくつあっても、また、扱い品が多くとも、さらに主導権があっても、利益はでてきません。

営業利益率10%を超える様な「高収益」なビジネスモデルを実現するには、商売において「主導権」が取れていなければなりません。「主導権」を取るために必要なことは、とにかく”客数”を増やすことです。
“客数”が増えることで、不当に利益率の低い案件について値上げを要請する、あるいは案件そのものを辞退する、といった営業施策が可能になります。いわゆる”忙しいけど儲からない”理由の大半は、「値付け」そのものにあるといって過言ではありません。
実際、船井総研ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会の中の、営業利益率10%超の「高収益」受託型製造業の皆様は、例外なく”客数”が多いことが共通点です。

受託型(下請型)製造業が”客数”を増やす上での要件としては次の3つを挙げることができます。
 要件1:こちらから売り込まないPULL型ビジネスモデルであること
 要件2:開発部門・設計部門など川上部門と付き合うこと
 要件3:生産現場が混乱しない自社が得意な仕事を受けること

要件1と2を満たす為には、エンドユーザーの開発部門・設計部門をターゲットとしたソリューションサイト(=問題解決型の技術情報サイト)を立ち上げることが効果的です。さらに受託型ビジネスの様にリピート性が高く、信用・信頼が求められるビジネス形態の場合は、バーチャルなインターネット上でのコミュニケーションだけでなく、リアルな展示会でのコミュニケーションも必要です。

さらに受託型(下請型)製造業が、営業利益率10%を超える様な「高収益」を実現する為には”仕事を選んで取る”ことも不可欠です。
多くの受託型(下請型)製造業が、親会社から言われたままに仕事を受け、本来は自社が苦手な仕事であるにもかかわらず受託してしまうことで、生産現場を混乱させ収益性を落としているのです。

もちろん、割に合わない仕事も受けるから、儲かる仕事を受けることができる、という側面もあります。しかし実際には、どの仕事がどれくらい儲かっていて、どの仕事が実は割に合わない仕事なのか、ということを把握していないまま、惰性で仕事を受けてしまっているケースが実際には多々見られるのです。
言い換えれば何が自社の「強み」なのかを、しっかりと押さえることが「高収益」なビジネスモデルに必須のことなのです。

そこで船井総研のファクトリービジネスグループでは、その会社の「強み」を見つけるため、コンサルティングを行う際には必ず「図面分析」を行います。「図面分析」とは、100枚~300枚の図面を「売価」「原価」「利益率」「形状」「精度」「材質」「使用用途」「その他」に分類の上、どの様な仕事が自社にとって競争力があり採算性が高いのかを明確にします。
例えばこの「図面分析」の結果、自社の強みは5軸マシニングだと思っていたのに、実際には丸物の旋盤加工+研削加工であった、といったことも起りえます。

また多くの受託型(下請型)製造業が、自社の強みを「顧客軸」ではなく、「売り手軸」で語ります。例えば自社の強みは”微細加工”である、”複合加工”である、”5軸加工”である、といった機能面を全面に出した表現は「売り手軸」での表現です。
そうではなく、例えば”特注ノズル”である、”特注カッター”である、”スピンドル部品”である、といった製品面を全面に出した表現を行うのがポイントです。
この様にして、自社の「一番商品」が何なのか、「品揃え商品」が何なのかをきちんと規定することが大切なのです。

以上、下請型製造業が営業利益率10%超を実現するポイントについてお伝えしてきました。本コラムのタイトルでは”営業利益率10%超”としていますが、実際には営業利益率15%、あるいは20%といった事例もあります。「町工場は儲からない」というのは過去のイメージで、実際には収益性の高い町工場がファクトリービジネス研究会にも数多くいらっしゃいます。
しかもそれら高収益企業の大多数が、2009年のリーマン・ショックで売上が半減したことをきっかけに、自社の体質改善に取組んだ成果です。まさにピンチはチャンスにもなるのです。

第5講座:
展示会必勝法
講師:株式会社船井総合研究所 
ファクトリービジネスグループ 外山智大

第五講座 テーマHで展示会必勝法というテーマで船井総合研究所 ファクトリービジネスグループ 外山 智大が講演をさせて頂きました。
(以下、講座内容抜粋)

本講座では、展示会必勝法というテーマでお話をさせて頂きました。
展示会において、これまでに出展された方々は多くの誤解をされているのではないかと思います。展示会においては、立地による集客や、当日のブースの見栄え、事後の営業フォローは確かに大切なものと言えます。しかし、見込み客ひいては、商談を獲得するためには、事前に自社を理解してもらい、我々がどういった会社で、どのような事を得意としているのか、また、我々はこんな仕事を欲していて、相談していただければ、お悩みを解決することができますということを明確に伝えておく必要があります。
そのためのポイントとして
・自社をしっかりと理解すること
・ターゲットとなる人(会社)を理解すること
・上記2点を踏まえた上で顧客目線でできる提案を理解すること
が必要となります。
そのためには、自社の強みを訂正的に分析するSWOT分析、これまでの加工から定量的に理解するための図面分析が必要となります。これらの結果から、
・出展社情報の記載
・パネル製作、ブース設計
・自社の強みを課たるストーリー設計
を行い、自社をしっかりとアピールします。
つまり、展示会必勝法とは事前準備をしっかりと行う事であり、結果の90%はそれにより
決まってしまうということです。
 今後、展示会の出展を考える際には、あれもこれもと取り入れるのではなく、
「我々は、この分野のここに強いので、ご相談があればぜひともブースにお越しください」という明確なメッセージを謳えるように自社理解を進めて頂くことが必要となります。
 その他にも、弊社主催のマッチングフェアの意義等もお話させていただき、展示会、営業、WEBの3本でしっかりと関係つくりをしていただきたいといことをお伝えさせて頂きました。


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