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実況中継 1

【開催レポート】 機械工具商社「小が大に勝つ」地域一番化セミナー(No.515013)

片山 和也

片山 和也

更新日:2015.02.19

『機械工具商社「小が大に勝つ」地域一番化セミナー』が株式会社船井総合研究所の五反田オフィスにて開催されました。

2月も中旬となり寒さもピークを過ぎましたが、今回も遠方から、またお忙しい中、多数の機械工具商社の経営者様にお集まりいただきました。

イントロダクションでは、株式会社船井総合研究所 片山和也より、「2014年を振り返って感じること」や「今、業績の良い機械工具商社の共通点」についてお伝えいたしました。

まず、「2014年を振り返って感じること」は、「業績が二極化」していることです。例えば、東海エリア内の機械工具商社においては、今期、過去最高の業績を記録しているところもあれば、大赤字、場合によっては廃業になったところもあります。そして、「成功要因は会社規模によるものではない」ということです。例えば、共に、機械工具商社経営研究会の会員企業様の事例なのですが、新潟県のD社では、5年前は年商が7億円でしたが、今期は年商15億円を達成し新潟県央エリアで地域1番店になりました。また、京都府のK社は、8年前は年商が13億円でしたが、リーマンショック後すぐに営業所を2箇所作り、今期は、工作機械の販売無しで、年商25億円(前年対比130%)を達成しました。これは、今回のセミナーのテーマの通り「小」が「大」に勝った成功事例です。

「今、業績の良い機械工具商社の共通点」については、3点お伝えさせていただきました。

① 3K(加工・工事メンテ・工作機械)もしくは、簡易FAを加えた4Kに取り組んでいる。

② 商圏の拡大・新規開拓に力を入れている。

③ 採用、特に新卒採用に力を入れている。

ということです。参加者の皆様は熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

続きまして第1講座に入ります。テーマは、『わが社の「小」が「大」に勝つ地域一番化戦略』です。愛知県碧南市の株式会社エス・エヌ・ジー 代表取締役社長 有賀淳一郎氏をゲスト講師としてお招きいたしました。
有賀社長は3代目社長で、社長が同社に入社された時は、業績は堅調に推移しているにも関わらず、社内はマンネリ化していました。要因は、社員の定着率が低かったことです。社員は20代と50代で構成されており、30代は有賀社長だけでした。20代の中途社員を採用したら十分な教育もせずに営業として投入、育成は現場任せの状態でした。若手が長続きしないので、気が付けば昔からいる50代の社員と、近年採用した20代の社員だけになっていたのです。
そこで、まず社長が組織改革のために取り組まれたことは「新卒採用」です。新卒が入社してくれれば、新たな社風が生まれ会社が変わる。しかし、新卒を採用しても、現状の組織に染まってしまい、大きな変化はありませんでした。分かったことは「採用だけでは会社も組織も変わらない」ということでした。
では、組織改革のキーは何か。それは、「新規開拓」です。有賀社長は、ネット販売やEDIの台頭などに、危機感を感じていらっしゃいました。そこで、更なる企業の成長のためには、商圏を拡大しなければならないと判断。社運を賭けて「新規開拓、新規営業所を出店する。」と社員の前で宣言されたのです。
まずは、自社分析として、顧客のランク分けを実施した結果、250社の顧客の内、上位40社で売上8割・100社で売上の95%を占めているということがわかりました。これは、上位40社を半数の営業でフォローして、残り半数の営業で新規開拓を行なっても差し支えないということです。
次に、営業戦略。エス・エヌ・ジーの強みである加工品と工事・メンテナンスを切り口にして新規開拓を実施。半年間で5社もの大手優良企業において新規口座の開設に成功、わずか3ヶ月で営業所の売上は月平均2,000万円を達成しました。結果として、全社売上は前年対比130%となりました。会社全体で新規開拓推進の風土が出来上がりました。以前は新規開拓にあまり前向きでなかった社員も、今では、「次の営業所は私にやらせてください」と言うようになったそうです。
現場に即したリアリティに溢れるお話で、大変興味深いお話を多く伺うことが出来ました。
大拍手の中講演は幕を閉じました。講演終了後も、「新卒採用における自社の会社説明のポイント」や「若手社員の育成方法」などについて質問は後を絶ちませんでした。

第2講座のテーマは、「社員数50名以下の機械工具商社が行なう新規開拓手法」と題しまして、株式会社船井総合研究所の三村信明より、お送りしました。新規顧客開拓を図る営業戦略として、3K(外注を活用した部品加工、工事・メンテナンス、工作機械販売)およびPB商品の開発・販売を行い、如何にして他社との差別化を図るかについての重要性をご紹介させていただきました。3Kはすでに多くの企業でも取り組んでいることですが、見せ方で次第で他社と大きく差別化できるのです。その、ポイントは個人ではなく会社全体で取り組むことです。その具体的な手法として、Webやリーフレットといった営業ツールの作成、自社が主催する生産技術担当者向けの技術セミナー開催など、PULL型のマーケティングシステムの構築方法を解説させていただきました。
また、それらを定着させる重要なポイントとして、3点お伝えさせていただきました。
①「加工」「工事」「メンテナンス」において、定期的に事例共有ミーティングを実施すること。
②営業ロールプレイング(TELアポの取り方や営業トーク)を通じてのスキルアップ。
③営業会議では、KPI(重要業績評価指標)を設定、毎月「加工」「工事・メンテ」の売上・粗利数字を取ること。
参加者の皆様は熱心にメモをとっていらっしゃいました。

第3講座「本日のまとめ 2015年機械工具商社業界の時流予測」は再度、片山よりお送りしました。本講座では、昨今の生産財業界を取り巻く環境を「4つのバブルと2つの脅威」と捉えて解説致しました。機械工具商社を含め生産財業界が置かれる環境は、円安・原油安・自動車スマホ・補助金という4つのバブル要素に支えられ、一方で止まらないデフレと人材の変化という脅威に取り巻かれているということです。デフレに加えて、今は人口減少の時代です。1億2000万人で500兆円のGDPを作っていたことを、今後は1億人で500兆円のGDPを作らなければいけません。その時、必要なのは生産性の向上であり、マンパワーに頼ってはいけないということでした。また、算命学や経済周期説を引き合いに出して、過去を振り返り、「2017年の起こる大不況を60年間の底として、その後30年間日本は上昇期に入り、特に2025年からは日本に経済成長の波に乗る」と、今後の時流予測について説明しました。
そこで、今、機械工具商社の経営者様が考えておくべきこと、ということで以下の3つをご提案しました。
①商圏の拡大
②優良中堅・大手グローバル企業(上場会社クラスユーザー)の攻略
③RE(リバースエンジニアリング)ビジネスを始める。
時流と経営の原理原則に従った今後の経営策について解説いたしました。

今後の経営を左右する時流、それに対して取り組んでおくべき課題など、ご参加された経営者は、感じられたことが多くあったのではないでしょうか。
本日のセミナー内容が、機械工具商社様の地域一番戦略のお役に立てることを願っております。
誠に有難うございました。


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