船井総研「部品加工業」経営FAXレター

最新!部品加工業のための「業界動向ニーズ」
~工作機械の市場動向~

井上 雅史
更新日:2017.07.28

日本の工作機械生産高は中国に次ぐ世界第2位で、リーマン・ショック直後に、主要顧客である先進諸国の設備投資意欲が後退した影響を受けて大きく減少し、首位の座を中国に明け渡しました。一方、主要な輸出国は日本とドイツで世界輸出総額の4割を超える水準が続いています。両国とも中位―高位機種を中心とした輸出が大きな割合を占めており、韓国・台湾も地場メーカーの技術蓄積などにより輸出を増やしている一方、中国は世界生産額に占める割合と比べると輸出額は低いです。日本の工作機械受注額推移を見ると、リーマン・ショック以降、外需比率は6―7割で推移しており、輸出型産業です。16年は、前年比での円高傾向による企業業績の低迷などで内需が減少しました。また中国景気の低迷などで外需の減少も大きく、結果として外需比率は低下傾向が続いています。

最近では工作機械は航空機部品の加工に用いられ、自動車などに比べ、より一層の信頼性、安全性、軽量化、高性能が要求されています。昨今は加工の難しい部材が採用されるケースが増加しており、高性能な工作機械の需要が高まっています。 航空機の機体は今まではアルミニウムが用いて製造されていましたが、軽量化・高強度化に対する要求から、金属やプラスチック、セラミックスなどからなる複合材料、チタンなどを含む合金の活用が進んでいます。

またジェットエンジンは、高温・高圧状態での耐性を高めるため、部品はニッケル基耐熱合金で製造されています。これらの素材は部品素材として優れた特性を有する半面、加工性が難しく、複雑加工が可能な5軸加工機や高硬度合金・炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に対応した技術を搭載する工作機械などは、航空機製造にとって欠かせない存在となっています。なお、最近では積層造形が可能な3Dプリンターの活用が始まっており、従来型工作機械の脅威となり得る存在である一方、積層造形の機能を融合させた新型工作機械も登場しており、今後、従来のモノづくりが大きく変容する可能性も秘めています。直近の6月の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比31.1%増の1429億6700万円でした。単月としては過去3番目の高水準。7カ月連続で前年を上回った。中国を中心とした外需(輸出)が好調を維持し、内需も5カ月連続で伸びています。



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