船井総研「部品加工業」経営FAXレター

最新!海外の成功事例~米国業界誌 The Fabricatorより 自動盤加工とCAM~

山崎 悠
更新日:2016.04.11

 自動盤加工においては未だGコードのプログラミングが一般的ですが、CAM導入については少しずつ導入が進んできています。CAM活用のメリットはいくつかありますが、主要なものをまとめると「MCからの工法変換」「サイクルタイム改善」「加工ノウハウの蓄積」の3つになるようです。まず1つめは従来別機械で加工を行っていた部品を、自動盤加工に置き換える。これがもっとも分かり易い自動盤のCAM活用法でしょう。7年前、自動旋盤にCAMを導入したあるアメリカの部品加工会社では、形状が複雑なためCAMなしでは自動盤加工自体がほぼ不可能であった部品に対してこの工法変換を行った結果、生産性が3倍近くに高まったと言います。従来マシニングセンタで加工した後に、手作業でバリ取り、ワイヤー放電を行って加工していましたが、すべての加工を自動盤で行うようにした結果年間4万ドルの利益アップに繋がったとのことです。2つめはサイクルタイムの短縮です。例えば8軸制御、6軸同時制御といった挙動が複合型の自動盤では可能ですが、これらの機能を使いこなすためにはシミュレーションが不可欠です。複合型の自動盤では単純にインテグレックスのような複合加工機よりも軸数が多くなるわけで、これらの最適な制御をツールの補助なしにGコードのみでプログラムしてやることはほぼ不可能です。特に微小部品の場合は加工中の状況もほとんど見えないので、すべてが想像の中の世界になってしまいます。先述の医療機器部品の会社では、シミュレーションを多用した結果、これまでは考え付かなかった、2スピンドルの同時制御加工を思いつき、従来6分であったサイクルタイムが1分に短縮した事例もあるということです。3つめは加工ノウハウの蓄積です。自動盤のベテラン職人と2~3年目の若手の生産性は3~5倍以上異なる、といわれることもよくありますが、生産性の違いを大きく分ける工具データや切削条件等のノウハウがオペレーターに属人化してしまうと各個々人の技量以上に生産性が伸びることがありません。作業標準化という観点からマクロを作ったり、プログラムを標準化しておくことはもちろん重要ですが、近年のCAMではそれ以上にノウハウ蓄積の機能が進歩しているため、早く活用すればするほど、後々競合他社との差が大きく付いて行きます。自動盤を持つ会社にはぜひ注目して頂きたい技術です。



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