船井総研「部品加工業」経営FAXレター

最新!海外の成功事例~米国工作機械雑誌 Modern Machine Shopより 材料の「適正価格」~

山崎 悠
更新日:2016.08.02

 材料価格はサイズや鋼種、そして鋼材商社によって大きく価格が異なり、また常時変動することが当たり前です。これは実は万国共通で、米国においても町工場の人々は「適正な材料価格」がどのレベルにあるのか、ということを正確に把握することができませんでした。相見積を取ろうとしても、材料商社同士が価格情報のやり取りを行っている場合は、地域内では価格はどこの材料屋から買っても大きく変わらない一方で、地域外に出ると大きく価格が異なる、ということも珍しくない状況です。
 これは市場経済に基づく価格の適正化が起こりにくい状況であり、材料を多量に購入する加工会社にとっては望ましい状況ではありません。米国ではこのような状況に対し、約1200社の「材料の買い手」から材料購入価格の情報を集め、リアルタイムでさまざまな材料価格のベンチマーク価格を提供するサービスが生まれています。幾ばくかの会員料金を課金する必要があるサービスですが、これまで最適に測ることができなかった全国規模で見た「材料の適正な価格」を知ることができるとあって、会員数を大きく伸ばしているようです。材料費は賃加工の会社にとって、外部に出ていく数少ない費用のひとつであり適切な管理が必要な費目です。機械加工や板金加工に限らず、多くの場合は加工品の売価のうち材料費比率が15~25%といった会社が多いですが、もし仮に市場の「最適な価格」を知ることができればどうでしょうか。加工会社と材料商社の利用可能な情報の非対称性から、「適正な価格」に対して10%のプレミアを載せていたとしたらどうでしょうか。そのような状況までは至らずとも、材料商社も適切な市場価格が分からず適切でない値付けを行っている可能性は十分あります。材料価格が仮に平均10%下がったとしたら、利益は10%×材料費比率で2%近く増えるはずです。営業利益を製造現場の改善で2%伸ばすことを考えれば、どれだけインパクトが大きいかが分かります。日本ではまだ同様のサービスはありませんが、加工会社にとっては、各材料の「適正価格」は非常に価値ある情報です。もし日本でも同様のサービスが開始されれば一気に広まる可能性があるため、意識が必要な領域です。



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