船井総研「部品加工業」経営FAXレター

最新!海外の成功事例~機械加工業が押さえておくべき共通規格:ISO13399~

山崎 悠
更新日:2016.01.27

一昨年からブームとなったインダストリー4.0は、ビッグデータを蓄積・処理するコンピュータとIoTが核の技術ですが、機械加工業にとって最も身近なひとつが切削工具における応用です。近年の切削加工において非常に重要なテーマとなっているひとつが、加工データの蓄積です。職人が頭の中に蓄積している経験や勘といったものをできるだけデータで表現し、標準化、高度化していこうという取組です。この考え自体は決して新しいものではありませんが、特に切削工具については近年大きな動きがありました。それが工具における共通規格の充実です。

加工データと切削工具を紐付けてデータ蓄積、分析、最適化を行うためには、各メーカーの切削工具を共通のものとして扱うための規格が必要です。切削工具には、サンドビックとケナメタルを中心として国際規格ISO13399が制定されていますが、2013年から2014年にインダストリー4.0を標語に急速に充実してきており、日本の工具メーカーの多くもこの流れに追随しようとしています。多くのCAMでは既にオンラインのデータベースにアクセスしてツールライブラリを読み込む仕組みとなっていますが、今後この仕組みはクラウドに移行すると見られており、各ユーザーは加工対象に応じた最適な使用工具、ツールパス、切削条件をクラウド上のツールライブラリから受け取る形になります。つまり、これまでは高度な加工知識が必要であった工具選定を、誰でもオンラインで行うことができるようになるということです(例えばある形状を加工するのに2枚刃か3枚刃、どちらを使うかといった判断)。

また、CAM設計とは別に、実際の加工データを収集する際にも共通規格が役に立ちます。リアルタイムで機械の稼働状況、切削進行を収集、処理する際には各情報の共通規格が必要で、今後工場の各機械を統合して管理するソフトウェアは一気に普及する可能性があります。また、工具情報と加工データの蓄積により、工具消耗費の正確な計算・予測や、ダイヤモンド工具のような高価な工具の、テスト加工なしの費用対効果分析を行うことも可能となってきます。切削加工においてソフトウェアの劇的な発展を妨げていた一つは、データ測定・収集の難しさにありました。しかしこの課題はセンサー技術、通信技術の発展、そして共通規格の普及により解決されつつあります。ソフトウェアの進化を上手く活用するためにも、町工場にとってISO13399は押さえておきたいキーワードのひとつです。



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