船井総研「部品加工業」経営FAXレター

今月の最新技術
~ JIMTOF(Japan International Machine Tool Fair)と破壊的技術 ~ 

山崎 悠
更新日:2016.12.20

ある大手工作機械メーカーのマーケティング部長は「IoTに取りくまなければいけないことは分かっているが、工作機械メーカー各社は機械をインターネットでつないでの予防保全やトラブル対応といったレベルまでしかまだ活用法を思いついていない」と先日こぼしていました。今回のJIMTOFは「IoT」というキーワードがこれまで以上に喧伝された展示会でしたが、実際のところIoTと呼ばれる以前から製造業においては中小企業もインターネットを活用したビジネスを展開しています。CAD/CAMの機能だけを海外に移したり、あるいは本社から国内外の別工場の機械を動かしたり、といった取り組みはよく見られます。IoTについて力を入れて未だ注視するべきものは、クラウド活用されるCAD/CAM系以外は無さそうです。むしろ今回の展示会で気になったのは大手工作機械メーカーの多くが超音波加工機やアプリケーションを揃えていたことです。
技術革新には持続的イノベーションと破壊的イノベーションの2種類があると言われますが、生産設備の業界では圧倒的多数が漸進的に進歩する持続的イノベーションに属し、従来技術の延長線上から外れる、例えばAM技術や超音波加工機は程度の差はあれ破壊的イノベーションに位置します。
これらの技術は10年以上前から存在しており、一部のユーザーからは高く評価されてきましたが、大手メーカーには、参入するほどのマーケットが無いため静観されてきました。しかし前回や今回のJIMTOFでかつてニッチ企業が開発した技術を大々的に大手メーカーが開発を始めているということは、マーケットが拡大したということを指します。シチズンマシナリーは2年前のJIMTOFですでに超音波加工のアプリケーションを展示していましたが、これは超音波加工が有効な微細領域を追求するニーズが同社のユーザーの中で大きくなってきたからでしょう。
その意味で、JIMTOFのような展示会で見るべきポイントのひとつは、大手企業よりも革新的な技術を展開するニッチ企業にあると思います。10年先に業界を変えるような技術は何か、という視点で展示会等を見られると、また違った知見が得られることと思います。



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