船井総研「部品加工業」経営FAXレター

今月の最新技術
~ 米国における町工場の設備投資状況 ~ 

山崎 悠
更新日:2017.02.02

先日アメリカの町工場における設備投資状況の調査結果が発表されました。2016年は景況自体はあまりよくないものの、生産設備の大規模展示会のIMTSが11月に開催されたこともあり、設備投資は活発に行われた年であるそうです。米国の町工場の設備投資額自体は、2014年から数パーセントづつ減少し続けており、マーケット全体では、実はここ数年のところ設備投資はあまり活発ではありません。しかしその中であっても町工場の設備投資傾向には変化があることを調査結果は指摘しています。設備投資額自体は数パーセント減少しているものの、その中で明確に増加している項目があり、それは事業全体のパフォーマンスに関わる、コア工程にあたる設備に対しての投資です。調査結果のキーワードは“Competitive” と“Profitable”で、設備投資により競争優位を確立し、より多く稼ぐ、という方針がより明確になったと記述されています。設備投資に大きな波のある日本と異なり、米国における実質的な設備投資額の水準は、上下動はあるものの、実は平均を取ると過去60年の間大きく変化していません。これは毎年毎年、同水準の設備投資を行い続けていることを示し、米国製造業とは安穏とした業界ではなく、投資・競争意欲の高い環境であると分かります。過去の調査結果を見ると、ほんの10年前まで、町工場の経営者の最も大きな投資判断の基準となっていたのは、「最新機種であるかどうか」という点でした。けれど今はこの判断基準で投資を行っている町工場の経営者は、全体の3割もいません。そして7割超の経営者が最も重視することになっているのが「生産性」です。今のメインストリームは作業者がより簡単に扱うことができ、「手が掛からない」機械であるとの傾向が出ています。例えばそれは、機械加工で言えば複合加工機であったり、縦型マシニングに対しての横型マシニングであったりするわけです。これは常に人手が掛かりがちな機械よりも自動化が図りやすい設備の方が、投資金額に対してより多くの利益を稼ぐポテンシャルを秘めている、ということを多くの経営者が共通認識を持つようになったということです。こういった判断が昨年よりは今年、今年よりは来年に強くなるだろうと、調査結果は締めています。米国も日本と同じような状況にあると言え、設備投資と機械が稼ぐ利益額の観点は、新しい設備を導入検討するに際し、試算しておきたい重要要素と言えます。



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