船井総研「部品加工業」経営FAXレター

今月の最新技術
~新設備検討時に押さえておきたい、部品加工会社のROI ~

山崎 悠
更新日:2017.02.25

ROIとはReturn on Investmentの略で、投資した資本に対して得られた利益のことを指します。原則 設備産業である加工会社にとって、最も大きな投資は生産設備の購入です。従って、「購入した機械がいくら稼いでいるのか」を考えることはとても重要です。加工会社のROIの考え方については、ドイツの名門工作機械メーカー、インデックス社が公表しているROIの考え方が参考になります。冒頭に「大前提として顧客を通してグローバルマーケットを相手にしているジョブショップは最新技術を導入せずして競争に勝つことはできない」と述べられており、最新技術の導入検討においては「①コストの把握」、「②新技術の可能性を測る」、「③古い設備の本当のコスト」の3つが重要と続きます。まず第1の「コスト」とは、工場におけるあらゆるコストのことを指します。現在の製造原価、新技術導入によるキャッシュフローへの負担等、導入に伴ってのコスト変動を想定することが重要です。2つ目は導入に伴う改善効果を数値で「測れるもの」と「測れないもの」の両側面からの見ることです。これは生産性や段取り時間の改善、メンテナンスコストの低減といった数値化できる面のメリットと、現場の生産の柔軟性やオペレータのスキルに依存しない下限品質の向上、自動化することによる職場衛生の向上といった点があります。そして3つ目は、古い設備を使い続けることによるデメリット、コストを十分に検討することです。老朽化に伴うメンテナンスコストの増大や品質の悪化、材料歩留り、予定外の機械停止、職人のスキルに品質が依存するリスクなど、意外に見過ごされがち、かつ重大な問題がこの3つ目に潜んでいると言えます。これらの3つのポイントを押さえると、正確な投資効率を計算することができますが、典型的にはROI 20~30%以上が投資目安とされます(極めて単純化すると、3年から5年での投資回収が可能な水準)。もっとも、ROIは必ずしも収益性の一定の目安とはなっても競争力と直接の関係はありません。単純な話、低価格の機械を多数導入して稼働させればROIの数値は跳ね上がりますが、長期的にそれが競争力強化に繋がるかどうかは疑問です。しかしながら設備投資を考える際は、このROI(大きくは収益性)と競争力の2軸を重視することが重要なのは間違いありません。



最新のコンテンツ