船井総研「部品加工業」経営FAXレター

今月の最新技術
~安定した量産 微細加工のための低周波振動切削~

山崎 悠
更新日:2017.07.28

自動盤を用いて連続加工を行う際は、切子の処理が他の加工法に比べてより重要となります。無人運転を行うことが前提の自動盤では、切子がうまく処理できないことによる切削条件の悪化、ワークへの傷発生、切子による機械の停止などの影響がより大きいからです。この切子の処理については、高圧クーラントを用いる、パスを工夫する、工具を工夫するなど様々なアプローチがありますが、「振動」を用いて処理する方法もあります。一般に切削中の機械・工具の振動は忌諱すべきものとされますが、意図的に振動を切削工程に持ち込むことでこの切子の処理を適切に行う方法があります。2014のJIMTOFではシチズンマシナリーが低周波振動切削(LFV)のマシンを発表していましたが、さらに今夏より低周波振動機能を搭載したマシンが大幅にラインナップに追加されています。

字面のイメージからは超音波振動切削と似たものが想定されますが、超音波振動切削の場合は工具の先端でワークを「叩きながら」加工するのに対して、低周波振動切削では工具を一瞬ワークから「放しながら」加工します。

この工具がワークから離れた瞬間に切子が途切れるため、細かな切子が排出されるという仕組みです。

工具が加工中に振動するということで、「精度は大丈夫か」「剛性があるのか」「加工面が粗いのではないか」など色々な懸念点が出てくると思いますが、この加工法が目指しているところは「高精度化」「微細化」「難削材加工」のようです。加工スピードを上げるというよりは、より小さく、高精度なワークをいかに安定して加工するかという点に主眼が置かれているようであり、ガリガリと多くの切子を出す加工が狙いではなさそうです。いずれにせよ旋盤加工においてはなかなか面白そうなアプローチであり、関係のある加工会社は注目する価値がありそうな内容です。



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