船井総研「部品加工業」経営FAXレター

今月の最新技術について~ハイプサイクルと3Dプリンタ~

山崎 悠
更新日:2016.09.01

 技術の成熟度、社会への適用度等を評価する概念として、「ハイプサイクル」というものがあります。このハイプサイクルは端的に言えば新技術が登場した際、市場が過度に期待を持ちブームとなる期間があり、その後、期待と実際技術との乖離から起こる失望・幻滅の期間を経て、地道な改善により社会へ技術が少しづつ浸透していくという新技術に共通して見られる状況をパターン化した概念です。近年のこの最たる例は、3Dプリンタでしょう。2012年の「メイカーズ」ブームを契機に3Dプリンタは時代の寵児となりましたが、ここ数年は今となっては「過度の期待」の状況でした(製造業の人々は比較的落ちついて見ていたように思いますが)。米国の2大企業、3Dシステムズとストラタシス社はこの期間に業績を大きく伸ばしましたが、現在2社の株価は大幅に下がり、それぞれピークの6分の1、7分の1の株価まで落ち込んでいます。では「3Dプリンタは終わった」のか、というとそうでもありません。いま市場にある3Dプリンタの原理は20年ほど前から変わっていないものがほとんどですが、一部で新しい工法の3Dプリンタも増えてきています。
 たとえばソニーが先月発表した新しい3Dプリンタは、射出成形と同程度の精度(1,000分台の前半)、生産性を持ったものです。ほかにも数多くの、未だ無名ながら新しい技術が現れてきています。3Dプリンタに代表されるAdditive Manufacturing(付加製造)の技術は、一般のブームが落ち着いた今からが本番でしょう。これから出てくる技術・サービスは、地道に検討改善を重ねてきたものであると考えられます。これまでは話半分で見ていた方も、今からはよくよく注意を払い、情報収集を進めていくべきです。



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