船井総研「部品加工業」経営FAXレター

今月の市況
〜町工場が普通の設備で差別化を図る方法〜

片山 和也
更新日:2017.02.02

町工場は多くの場合、大手マシンメーカーが市販している設備を導入してモノづくりを行っています。従って大半の町工場は根本的に差別化ができません。なぜならお金さえ出せば競合他社も購入することができる設備でモノづくりを行っているからです。その結果、多くの町工場が価格競争に陥り苦しい環境に置かれています。

■従業員14名 株式会社入曽精密様の取組み

ところがわずか14名の町工場でありながら、大手マシンメーカーの想定を上回る設備の性能を引き出し、驚異的なモノづくりを行っている会社があります。それが埼玉県入間市に本社工場のある株式会社入曽精密です。同社は100ミクロン角の世界最小の金属製サイコロをつくり、世界を驚かせました。100ミクロンといえば、ほぼ髪の毛の厚さと同じくらいです。

さらに3Dデータをもとに、アルミの塊からバラの花を原寸かつ同じ形状で削り出すという神業の様な技術を確立し、この技術を「MC造形システム」と命名しました。この「MC造形システム」は、2005年の日経ものづくり大賞を受賞しました。当該賞は国内外あわせて10件の事業所やシステムが受賞しましたが、そこにはトヨタ自動車、TDK、日産自動車、キャノンなどの超一流企業が名を連ねています。「MC造形システム」はMEMSと言われるアリよりも小さなロボットをつくる技術など、医療分野や半導体分野での活用が期待されているのですが、いかに入曽精密が社会から期待されているかがよくわかります。

また同社の斉藤社長は「従業員を14人より多くしたいと思わない」と考えられています。現在の従業員数が教育を行うには最適な人数だという思いからです。斉藤社長は教育方針として、誰でも絶対に良いところがある、どんな人間でも5年間向き合えば、必ずその長所が伸び、いずれは短所も長所になる、と考えられています。まさに「長所伸展」の考え方です。その結果離職率は低く、ここ10年で会社を退職された従業員はほとんどいません。

■従業員200名 ナカヤマ精密株式会社様の取組み

入曽精密様の事例は少人数の会社で職人社長だからできることでは?と思われた方もいるかもしれません。しかし、それは違います。従業員200名を超える機械加工業でも、日本トップクラスの技術を「仕組み」で実現している会社があります。従業員200名のナカヤマ精密株式会社。同社のモットーは「機械を徹底的に使いこなす」ことです。同社の中山社長は語ります。「設備さえあればできる仕事ならば、お金と土地がある人が最も有利になってしまう」「ものづくりはそんなもんじゃありません」

例えば同社の「三津家道場」では、現代の名工を講師に、やすりがけから新人教育を実施しています。なぜ”やすりがけ”なのか?それは「鉄」を「木」や「豆腐」の様に、どんな形状・精度でも加工出来る様にするためです。そして手仕上げでミクロン、サブミクロンを体で覚え、高級な工作機械で加工をするありがたみを感じながら仕事にあたるようにすることが狙いです。

さらに同社の「テクニカルセンター」は「見せる工場」。同工場は日経ニューオフィス賞を受賞し、前述の道場とともに、人材育成と技術開発を有機的に行える「環境」であり「仕組み」の場となっています。こうした一連の取組みにより、同社は営業利益率10%超の高収益企業になっています。

そしてこの度、部品加工業経営部会定例会にて、上記2社の社長をお招きして特別講演をしていただくことが決定しました。

詳細ご案内は本FAX巻末をご覧ください。本定例会は1社1回限り「無料お試し参加」が可能です。

参加希望の方は本FAX巻末のお申込み用紙にてFAXいただければと存じます。



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