製造業コンサルティングで日本のものづくりに貢献します

板金加工業の何千万・億越えの設備投資からの脱却モデル

板金加工業のビジネスモデル

鋼板を切断・抜き・曲げ・溶接・組立・塗装を専門の機械・設備と職人の技術によって、1枚の板に価値を付加する板金加工業。2017年から続く好景気の中で、人手不足の中にありながら多くの仕事量を抱えています。

それにともない、2017年度・2018年度には、過去にも増して多くの板金加工業様が、受注残の加工効率の向上を目的とした最新の板金機械の導入が活況です。

直近の大手板金機械メーカー様の2018年度の中間決算発表では、売上高の通期予想が3300億円、営業利益の通期予想が430億円と2017年度と比較して10%近くの伸び率の予想が発表されました。株主配当も中間時点で増配が発表され、通期売上高も過去最高を予想されています。

この状況を紐解くと、1台何千万の曲げ機械、1億円近くのロボットベンダー、2億近くの複合機などの投資を行っていることになり、板金加工業はそれに見合った利益を今後5年・10年で行う必要があるということです。

取引先の業績に大きく左右される板金加工業ですが、社員数20~30名の板金加工業で営業利益を5000万以上を計上することは、ごく限られた企業様しか達成できない数字です。
社員数が40~50名であっても、決して楽な数字ではありません。ましてや、設備投資を行った期は、さらに状況は厳しくなります。

企業担当者が新規で依頼する、高利益な仕事の特徴

船井総研のクライアント様を見ていると、これまで取引のない企業様から割のいい仕事の依頼を受ける板金加工業様の特徴は、以外にも板金加工業以外の設備・技術サービスをもっています。

つまり、2億円近くの複合機や1億近くのレーザーやロボットベンダーを保有していても、昨今の業界状況では、決して珍しくないのです。
(これらの設備は、既存の仕事の効率化のために威力を発揮する)

設備で新規の引合を獲得することができず、また、たまに来たとしても現在の加工の延長であり、高利益を確保できること簡単ではありません。

愛知県の西尾に本社工場を構える株式会社マエショウ様は、取引のない企業様から毎月5・6件の新規見積依頼を獲得されています。

その見積の中身が興味深く、内容はほとんどが板金筐体のIP:保護等級(防水・防塵性)に関することばかりです。ちなみに、マエショウ様は複合機を2台、ロボットベンダーも2台保有していますが、設備に関する問合せは、ほぼありません。

マエショウ様のHP:https://www.maesyou.com/

IP:保護等級(防水・防塵)を試験する設備は、その等級にもよりますが、決して高額な金額が必要ではありません。
しかし、市場の顧客は、筐体を造る板金機械とその技術以上に、完成した筐体の性能を試験・評価してくれる板金加工業様を頼っているのです。

板金機械を保有している企業は多く存在しますが、板金機械で製作した製品の性能までを評価できる板金加工業は多くはないのです。

この需要と共有のバランスを抑えた板金加工業こそが、新たな市場、伸びている顧客、新たな設備投資(比較的安価な)を業界に先駆けて取引を行うことができているのです。

これからの板金加工業の付加価値

2018年11月時点、工作機械の受注高が23カ月ぶりに前年割れになり、一部の半導体製造装置メーカーの在庫がダブつき、明らかに景気に陰りが見えています。

既存の取引先からの仕事量がこれ以上増えることは考えにくく、今後は仕事量の減少とともの昔のような薄利な仕事が増えてくるでしょう。
現在の体制を維持するためには、新たな儲かる顧客・業界の仕事が必要不可欠です。その為に顧客に提供する価値は、機械や設備以上に出来上がった製品の性能や評価に関する知識と設備をもった板金加工業です。

以前、オリンピックの砲丸でメダリストに多く支持された辻谷工業という金属加工業の会社がありました。

辻谷工業の辻谷社長は、綺麗な球体の砲丸を規格に押さまる精度で加工するだけでなく、重心を中心に置く加工によって、飛距離が伸びる砲丸を製作メダリスト達から支持を集めました。
この発見は、辻谷社長が自身が加工した砲丸を実際に何十回・何百回と投げ、その中で飛距離が違う砲丸があることを発見し、その砲丸を分析したことで、形状加工だけでない価値を見つけたことから始まっています。

板金加工業も辻谷工業様と同じく、顧客の図面通りの精度・機能にプラスした専門的な製品自体の性能まで考慮・配慮できる設備・技術サービスが、高い利益を実現するのです。

ポイント

1.数千万・億越えの設備投資以上に、百万以下・数百万で儲かる引合を獲得できる
2.機械設備のラインナップ以上に市場の顧客が求めている設備装置がある
3.工作機械が23カ月ぶりに受注高が減少し、半導体製造装置も低調期へ移行
4.板金加工業で毎期何千万の設備投資を回収する利益確保は従来の方法では難しい
5.低投資で高利益な仕事を集めている板金加工業には共通の特徴がある


CONTACT講演・研修・コンサルティングの
お問い合わせはこちら

指名のコンサルタントがいる場合は、窓口担当者へお伝え下さい。
指名のない場合は、想定されているテーマをお聞かせ下さい。

製造業 経営レポート 無料メルマガ登録